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時が止まるとき
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時が止まるとき 16

すると、ミナがつかつかと歩み寄り、
「アンタねぇ!ナニトチ狂った事言ってんのよ!人殺して良い訳無いじゃない!!」
とめぐみの首を締め上げた。
「ミナ!死んじゃう!死んじゃう!」
私は慌てて二人を引き離す。
「ゲホッ!ゴホッ!・・・だってしょうがないじゃないですか・・・どうせ相手は社会のクズ。自分と天秤にかければ当然でしょう?」
涙目になりながらも悪怯れもせずに答えるめぐみ。そして、光一が、
「殺すのももちろん一つの選択肢。先程はそれも含めて“おまかせします”と言ったつもりです。」
と言った。
そして、時計を見ると、相変わらずの調子で、
「・・・そろそろお昼の時間ですね・・・じゃ、みこと。後は頼んだよ。」
と再び奥に引っ込もうとする。今朝の事もあったので、
「あ、あのっ、お手伝いします。」
と申し出ると、
「ホントですか!?助かります!!」
と初めて笑顔を見せて答えてくれた(初めて笑顔見たけど・・・カ、カワイイ)

ついでに言うと、ミナの「私も手伝う。」という申し出は「気持ちは嬉しいが、君だけは勘弁してくれ。」と当然ながら(ミナ、ごめん)丁寧に心から拒絶された。

「あの〜・・・。」
沈黙に耐え切れずに口を開く私。光一が大根を切りながら「何?」と聞き返す。
「この食べ物、どうやって調達してるんですか?」
「あぁ、地下のバイオプラントで作ってるんだ。」
(へぇ〜、じゃあ、コレって人工の農作物なんだ・・・)
「て、かなり凄いんじゃないですか!?」
「何、別に大した事じゃない。」
(・・・相変わらず素っ気ないお答え。)
微妙にヘコむ私に対し唐突に、
「ところで、君はもっと他に聞きたい事があるんじゃないかな?」
と聞いてきた。
ミナのご乱心や雛形くんの乱入でうやむやになってしまったけど…
「わかってます『鍵』の話ですね?」
私は図星をつかれビクッ、と固まってしまった。
「君はどうにも言いたい事、聞きたい事、うまく表現できないようだから、勝手に説明させてもらうとしよう…」
「地底人化はともかく、君も能力が覚醒したら嬉しいとは思わないかい?」
「えっ?・・・そ、そうですね。」
「・・・実のところね。『バグ』は本来人に能力をもたらす為に作られたんだ。もっとも、見ての通り全くの失敗作。」
さも愉快そうに嗤う光一。
「で、今回の事件は『バグ』のラボの制御装置が暴走、実験段階にあった『バグ』をばらまいてしまったんだ。」
「それと『鍵』に何の関係が・・・。」
「まぁ、最後迄聞きなよ・・・で、そのラボなんだけど、どうしても特殊な制御装置が必要だったんだ。最新鋭の施設だからね。」

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