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時が止まるとき
その他リレー小説 - ファンタジー

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時が止まるとき 15

普通なら一生知らないままであろう濃いぃ物理の知識を叩き込まれる一同。
「まっ、そんな事はどうでも良いけどね、っと。」
「アンタねぇ!どうでも良いなら熱弁振るわないでよ!しかも、聞いた端から忘れそうな小難しい話だし!!」
ミナのもっともなツッコミをさらりと流して、
「で、ここからが本題。」
と真剣な顔(と言っても普段から冗談か本気わからない顔してるけど)になった。
スクリーンに拡大されたエリアマップと、その周辺の写真が写し出された。最近話題になっているカルト教団のビルだ…。
「ここにマザー級の地底人が居座っています」
みことのRPG理論における中ボス的(以下略)だそうで…しかも教団の皆様は神の使いだとか、我々は選ばれし者だとか、アブない勘違いをしているようだ。
そして次の映像…階級の高そうな?衣装を着た男が不良地底人を使役して、略奪を行っていた…。

「目障りなので、この際ついでにぶっ潰そうと思います。」
さらりと物騒な事を言う光一。スクリーンの映像が切り替わり、光一による説明が続く。
「で、このビルの現状。『バグ』の影響で殆ど無人ですが、最悪十人程度の『発病者(私達の言うところの不良地底人)』は覚悟しておいて下さい。」
そして、もちろん『感染者』もね、と付け加えた。

「しつも〜ん!」
「・・・何ですか、早良さん。」
明ら様に嫌そうな顔をする光一。ミナは構わず続ける。
「不良地底人は倒せば良いとして、私達みたいなのはどうすんのよ?」
「おまかせします」
気まずい沈黙…皆、大体答えは判っていた。なるべく説得、あるいは降参させる…それでダメなら…。
「なんでハッキリ言わないんですか…『こいつ』を殺してこいって…」
いつの間にか、トイレから戻って来た雛形くんが、剣の切っ先でモニターを示していた。そしてその眼は…初めて会った時と同じ『あの眼』だった。

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