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時が止まるとき
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時が止まるとき 14

「ど、どうしたの!?」
「僕は、ただ襲われたから・・・殺したくなんか・・・!!」
「・・・・・・ちっ!」
光一がめぐみと滝を一瞥すると、
「とまぁ、『発病者』には『死』が存在します。これが『バグ』の最大のポイントで厄介なところです。」
と表情を変えずに答えた。
「更に!相手は犯罪者。『能力』で脅す、時には殺すことすら躊躇わない。コレ洒落になんない。『人間』てヤツは本当に厄介だ・・・。」
と付け加えるみこと。そして光一が、
「しかも彼らの殆どは『能力』の本質を知らない。」
と繋げると、滝とめぐみを見据えて、
「それにね。普通の人だって『力』を手に入れれば・・・思い当たらないかい?」
と言った。
「「・・・・・。」」
言葉も出ない様子の二人。
「まっ、気にすんな。欲望に勝てる人間なんてそう居やしないんだからよ!」
とみことが慰めた。
…雛形くんは…そのままトイレに駆け込んだ…激しく嘔吐しているようだった。滝さんは滝さんで、うつむいたまま黙り込んでいる。突然ミナが立ち上がり、黙ったままの滝に掴み掛かる。
「…殺しちゃったの…?」
「ああ」
「…たくさん?…」
「朝早かったから…出社してる人も少なくて『ちょっと』で済んだ…」

彼の場合、会社全体がこちら側に取り込まれてしまったらしい。大半は地底人化…そして残りは疑心暗鬼に駆られ…。


「・・・・・・」
「ははは・・・こりゃあ、時が動きだしたら猟奇殺人犯だな・・・。」
自嘲気味に嗤う滝。すると光一が、
「そのことなんですが、『時が止まる』と言うのは正しくないんですよ。」
と口を開いた。そして、
「そもそも時は止まることが出来ないんです。何故なら本来エネルギーが・・・・・・・・・・・・・・・。」
と『時と存在の因果関係』について熱く語り始めた・・・。

30分後・・・
「・・・・・・つまりこの状況は『殆どの生物のみが静止している』と言うのが正しい表現になるわけです。」

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