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時が止まるとき
その他リレー小説 - ファンタジー

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時が止まるとき 11

でも、ミカには言葉が無くても暴力が・・・
「アンタ達ぃ!いい加減にぃ・・・」
しなさい!と見事な飛び蹴。
すかさず眼鏡の少年が“同志”とか言っていたにも関わらず機械ヲタ・・・もとい倶利伽羅さんを盾に。哀れ倶利伽羅さんは用途不明の謎の物質の仲間入り・・・
「アンタっ!また避けたわね!?しかも同志を盾にして!」
「当然。ゴリラの洗礼を受ける訳にはいかないからね。」
あぁ、それは避けた理由にはなっても同志を盾にした理由には・・・って、ミカをゴリラ呼ばわりするなんて・・・だんだん意識が遠退く・・・
ふと、気付くと私は自分の部屋のベットで寝ていた。
「何だ、全部夢・・・。」
だったのね。と言い終わらないうちに壁の中からミカが顔を出した。
「おはよう!ユエ。」
「おはよ〜・・・ミカ・・・。」
(・・・・・・て、あれ?か、壁から!?)
私が驚いたのを察して、
「あっ、これ?黒色の発明品。一度行ったことがあるとこなら何処でも行けるのよ!凄いでしょ!?」
と得意気に話すミカ(それって凄いのは倶利伽羅さんなんじゃあ)そこへ『お〜い!さっさと作戦会議始めるぞぉ〜!!』と滝さんの声。
「今行く〜!さっ、ユエ!行くわよ!!」
と私を強引に壁に引きずり込んでしまった。
案外あっさりと秘密基地に到着。もっとこう何か違和感とかを感じるものかと・・・なんて思ってると、
「おはよう。ユエさん。」
雛形君の笑顔の挨拶。「昨日は突然倒れたから心配したんですよ。ミナさんなんか泣いちゃったんですから。」
「うっさい!いじめられヲタク!余計な事は言わなくて良いのよっ!!」
真っ赤になりながら腕を振り上げるミナ。・・・正直ちょっと嬉しい。
「良かったな。」
振り向くと滝さんが立っていた。
その手には・・・
「腹が減っては戦は出来ぬ。作戦会議の前に朝飯だ。」
赤だしにご飯、出汁巻き、ほうれん草の胡麻汚し・・・純和風の朝ご飯が並んだ。

「すご〜い!これ、滝さんが作ったんですか?」
「いや、霧島君さ。」
「霧島君・・・?」
私が首を傾げると、
「あぁ、ユエちゃんはまだ知らなかったな。彼の事だよ。」
と眼鏡の少年を指差して言った。更に滝さんによると彼の名前は霧島光一。私達と同じ16才で、能力は倶利伽羅さんと同じく持ってないらしい。そして、朝食は賑やかに進む。
「否!否!断じて否!俺様は砂糖味以外の卵焼きは絶対認めないっ!!」
「嫌なら食うな。だいたい、文句があるなら自分で作れ。」
「くっ・・・しかぁ〜し!その程度の脅しに屈する俺様ではなぁ〜い!!」
「分かったから黙って食え。」
「中々美味しいですね。次はミナさんが作って下さいよ。確か家事得意でしたよね?」
「うっ、そ、それは・・・。」
「出来る訳ねぇよな〜お前みたいなガサツな奴が家事なんてよ。」
「黙れ!銃ヲタク!」
「ぐはっ・・・!」
「きゃ〜!滝さん大丈夫ですか〜!?」
賑やか過ぎる程に・・・。

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