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クサナギ〜蒼い剣と紅蓮の翼〜
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クサナギ〜蒼い剣と紅蓮の翼〜 39

二人の仕事は封印の調査と最後の守護者の発見である。
相談の結果、前者を優先させる事にした二人は、なにか手掛かりがないかと先日破られた封印の祠を目指した。後者に関しては何となくだが今は見つからない気がした。
クロの証言をもとに、二人は草薙市の西を目指す。電車で行けるところまで行って、残りは徒歩で移動する。常人にはキツい道程だが、混血の鬼児である二人にはなんて事はない。人目の無い森に差し掛かってからは、能力を全開にして翔け抜けたのでかえって楽な位だった。
彩華と高志朗が森を駆け抜けると、少しだけ開けた広場のような所に出た。
「もしかしてここが・・・?」
「『封印』のようね。まぁ『跡地』だけど」
そう言いながら近付くと崩れた社の前に一人の男がいる事に気付いた。
「・・・八頭か?」
「わからない・・・けど様子をみましょう」
彩華の言葉に高志朗は気配を消し、近くの茂みに見を隠した。


「んー・・・」
社の前にいる男、霞屋迅が集中していた意識を元に戻し唸り声を出した。
「『地脈』を上手く利用して作ってあるなー・・・逆探しても引っ掛からん・・・」
枝で簡単な『陣』を描きながら呟く。
「東と南にあるのは確かなんだけどなー・・・っとこれでどうだ?」
しかし完成した『陣』に変化は無い。
「・・・やっぱ足か?足なんか?足で探せゆーことなんか?」
書いた陣を足で消し、腕を組んだ。
「・・・しょうがない、疲れるから嫌だったんだけど・・・」
懐から小さな巻物を取りだした。
「『地脈』に影響でない範囲でなんとか・・・」
封を解き、自分を中心に円上に広げる。
「チチンプイプイっとー」
足元に陣を書き足し両手で『印』を結ぶ。
すると、社と陣が淡い光を放ち始めた。
「んー・・・そうか、分かったぞっと」
そう言うと地図を広げ二カ所に印をつけた。
「ここらへんか、なるほど」
パタパタ地図を畳む。
「『地脈』がブレないようにしたから大体の場所になったけどもこれで大分楽に・・・」
一仕事終えた男の表情で地図をしまおうとした時だった、どこからか伸びてきた鞭が地図をからめとった。
「にゃ!?何事?何事!?」
地図を盗られた迅が辺りを見渡す。
「ありがと、これで封印探しが楽になったわ」
見ると鞭の持ち主、彩華が地図を片手にヒラヒラさせていた。

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