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クサナギ〜蒼い剣と紅蓮の翼〜
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クサナギ〜蒼い剣と紅蓮の翼〜 44

超能力者は、保有できる超能力は一つだけだが、気功や魔術もそれなりに扱える。だができるのはせいぜい中級の黒魔術程度で、ソロモンの悪魔を扱うことまでは出来ない。
泉梨は知っている。代償を支払うことで世界の陰性と契約し、超能力に匹敵する異能を手に入れた者達を。
「アルカナ、とかいう不愉快な連中の仲間だな」
女性は泉梨の推理に朗らかに笑うと、手をポンと叩いた。
「はい。ご明察です。アルカナNo3“女帝”鈴鳴里子。能力は“契約錯誤”です」
朗らかな笑顔の里子が自己紹介をした。
「敵に対しても奉仕の姿勢、なるほどそれが『代償』か」
「正確には『敵以外』ですが癖になってしまって」
その言葉と同時にマルコシアスが大剣を構え、泉梨に向かい振りおろした。
容赦の無い一撃が辺りに激しい土ぼこりと衝撃を巻き起こす。
だが、泉梨はマルコシアスの一撃を読んでいたかの如く避けていた。
「自分の召喚獣だ。攻撃軌道程度、頭に入っている!!」
直ぐ様横に振られた大剣を避け、ナイフを逆手に構えた。
(厄介な能力ではあるが・・・)
そのまま里子の間合いに入り込む。こうなってしまえば攻撃範囲の広い召喚獣は攻撃できない。
(強化系でない奴なら間合いに入ってしまえば・・・!!)
そのまま、逆手に構えたナイフを里子の右肩に深く突き刺した。
「うっ・・・くっ・・・・」
集中が途切れたのかマルコシアスがかき消える。
「さて・・・話してもらおうか?奴らの事を・・・」
ナイフについた血を払う。
「うぐっ・・・」
右肩を手で押さえる里子。
「っ・・・・」
泉梨が里子を捕まえようと手を伸ばした時だった。
「もういいっすか?里子ネーサン」
里子がそういうと同時に泉梨の体に複数の『鎖』が巻き付いた。
「『縛鎖』完了。はい、結構ですよ。『狐葉』さん」
「はいはいっと、それにしてもおっそろしいネーチャンだな。加減無しで刺したよ・・・」
独り愚痴りながら立ち上がると、里子の姿が一瞬歪み、煙と共に男の姿に変わった。
「なにっ!?」
泉梨が声を漏らした。
確かに、アルカナの女を刺したはずなのに、今目の前にいるのは若い男だ。
彼女は別の所で泉梨を封じている。
「貴様……」
ギリッと歯噛みしながら男を睨みつける召喚師を、「うわぁ恐い怖い」と、アルカナの男女は肩をすくめた。


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