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クサナギ〜蒼い剣と紅蓮の翼〜
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クサナギ〜蒼い剣と紅蓮の翼〜 33

「君達もしかしてこの街の人?」
「あ、はい」
「なら聞きたいんだけどさ、ここから東と南になんか神社とかお社とかない?」
地図を広げながら結衣に近付く。
「東と南・・・ですか?」
そういい地図を覗きこもうとする結衣の腕を早苗が掴んだ。
「・・・なぜそんな事を調べているんですの?」
少し険しい顔で男を見る。
「おやおや〜?そっちの美少女さんにはずいぶんと嫌われちゃったみたいだね〜」
そう言うとおどけたように肩をすくめる。
「そんなに警戒しなくても別に怪しい宗教団体とかじゃないんだけどな〜」

「答えて下されば快くお教え致しますわ。」
早苗の言葉にやれやれとため息をつく。
「こう見えても『民俗学者』でね。この街には変わった『モノ』を奉ってあるって聞いたから調査してたのさ。これでいいかい?」
「・・・まぁいいでしょう。答えて差し上げますわ。」
「まじ?ラッキー」
男が喜ぶ。
「私が知る限りそんなものはありません」
男がコケた。
「ではごきげんよう」
「すみませんでした〜」
早苗に腕を掴まれた結衣も連れて行かれた。
「・・・・・ん〜足で探せってことかね〜。簡単にはいかないね。やっぱり」

立ち上がり服を叩く。
「それにしても・・・」
早苗達が去って行った方向を見ながら目を細めると、
「美少女二人組が町外れに・・・か。百合?」
そんなアホな事を呟いた。
「あの男……混血だ」
怪しい男から十分に距離を取ってからクロが言った。
えっ!? と結衣が声をあげた。
「やはりそうでしたか。神社のようなモノを探しているようですが、まさか……」
「それが封印ということもあろう」
「気をつけた方がいいかもしれないですね」
結衣の言葉に早苗とクロは頷いた。
「む、ここだ」
話している内に目的地に着く。
「ここ、なんですか?」
結衣は信じられなさそうにその建物を見上げた。
それは教会だった。だが結衣が思い浮かべたものほど荘厳でもなく、寂れてもいない。
見た目はなんとなくボロいが、わりとよくある町の教会である。
「そう……ここよ」
「意外と普通ですね。魔術師さんが住んでるって言うからもっとこう……」
てっきり怪しさ全開の荒れ果てた場所かと思っていた。
だが実際にそうだとすればかなり問題である。
なにせここは教会、本来魔術師とは相容れない聖域だ。そんな場所からあからさまな魔術っぽさがにじみ出ていては体面が悪すぎるのだ。
「もっともここの場合、神父が違う意味で胡散臭いがね」

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