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ジェノサイダー
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ジェノサイダー 21

「お前に何が分かる、紅蓮で命を張って生きてきて、最期には思考回路をのっとられちまう、俺の苦しみの何が分かる!!」
ジルの両手は急激に膨張し、その指爪の一本一本がデュランに伸びていき突き刺さる。

「弱い、貴様にNo.2は…、ヤレ、ナ、イ…」
ジルの声が電子音のような奇妙なものになり、同時に彼の頭が垂れた。

「いてぇなバカ野郎!!」
デュランは体中に刺さった“爪”を斬り落とすと、それを抜き、外に逃げ出した。サイレンの音が変わり、要塞自爆の本当のカウントダウンが行われ始めていた。

「間に合ってくれ!!」

辺りが光に包まれた。


ラドゥ隊長とオルガの背中で強烈な光と爆風が巻き起こった。目の前には一万はいるだろう漆黒の軍勢が立ちはだかっている。

「ご苦労、私を爆発から守ってくれて」
ラルは服についた埃をはらうと、ラドゥ隊長の元から漆黒の所へ行こうとした。

「お前ら、コイツの命が欲しければ道を開けろ」
オルガが声を低くしてラルに剣を突き付けた。ラルは冷静な顔をしている。

「無意味、私に人質の価値などはない」
「黙ってろ!!」
「オルガ、奴の言っている事は事実だ」
興奮しているオルガの肩に、ラドゥは手をおいた。漆黒の軍勢は銃を2人に向けたまま動こうとしない。

「ラルは“不労不死”だ」
ラドゥのその言葉にオルガは剣を強く握り締めた。

「しかし、どうやってこの軍勢を抜けるんですか!!」

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