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ジェノサイダー
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ジェノサイダー 20



デュランは2人と別れると要塞中枢に向かった。サイレンが鳴り響く真っ赤な通路を駆けて行く。

「分かりやすい」
デュランが走っていると狭い通路に辿り着いた。円を描くその通路の内側は、ガラス張りで中がよく見える。ガラスの向こう側にはジュリア、ヴァレラ、そして“天使”がいた。ジルの姿はない。
天使の首がこっちを向く、デュランは天使の目を気持ち悪く思った。眼球が全て黒かったからだ。
天使の翼がゆっくりと開くと同時に、光弾が襲いかかってきた。デュランは通路を走る、光弾はたて続きに放たれ、デュランの走った後の通路は跡形もなく崩れていた。

(クソッ)
デュランは行き止まりに行き着くと、ガラスを突き破ってジュリアたちのもとに飛び降りた。
天使の首は相変わらずデュランを向いてる。
「分かっていたよ…、自分が人間じゃない事、人工生物だって事はな…、しかしあんまりじゃないか、覚醒の結果が“天使”なんて!!」
光弾が再び放たれた、それは一度上に向かうと、勢いを増して襲いかかってきた。デュランは光弾の間を縫うように天使へ駆けていく。

「時間がねえんだ、くたばれ!!」
デュランの短剣は天使の首を切り刻み、そのまま流れるように心臓を一突きした。天使は前屈みになってそのまま倒れこむ。

「おいジュリア起きろ、死んだ訳じゃないだろ?」
「ん…、死ななくとも気絶ぐらいするわよ」
ジュリアが目覚めるとデュランは笑顔になった。デュランはジュリアが立ち上がると、ヴァレラを連れて逃げるように告げる。

「貴様も逃げれば良かったものの…」
「逃げる背中を狙われたくないからな…、それに紅蓮の“No.2”なんだろ?勝てば俺がNo.2だ」
「こんな姿で俺だと気付くとはな…」
「オッさんの天使なんて気持ち悪過ぎだぜ?裏切り者のジルさん」
「裏切り者?俺は始めからこの時の為に作られたんだ、全てはラルの計画通り…」
「そんな人形みたいな人生でいいのか?」

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