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ジェノサイダー
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ジェノサイダー 22

「大丈夫、私達が来たから、まぁもう1人は既に戦ってるけど」
ラドゥの後ろからジュリアが現われた、彼女の金鞭がラルの首を締め付ける。

「まぁ盾にはなるでしょう、うふっ」
オルガたちは戦っていないのに、軍勢の中で銃声が聞こえ始めた。兵士たちが仲間割れのように互いに殺し合いをしていた。

「ヴァレラか…、オルガ、ジュリアはラルを連れて敵中突破、私は背後の“天使”を倒しに行く」
『天使?』
オルガとジュリアが要塞跡を振り返ると、馬鹿でかい天使が真っ白に光ってそこにいた。真っ黒な眼球を持ち、口からは涎を垂らしている。

「あれでも俺の“親友”だ…、俺が苦しみから解放してやる」
ラドゥは走った、要塞跡地に近付くにつれてジルという“天使”は大きくなっていく。
「俺はどうしたらいい?」
木の上から突然デュランが飛び下りて来た。ラドゥは笑顔で口を開く。
「“やはり”生きてたか、君にだったら使えるな…、一度きりの魔法を教える──」


ラドゥが天使の腹部にめがけて走っていく。天使の光弾が行くてを阻むが、彼は炎でそれを拡散させた。そして腹部に“鉄塊”を突き刺す。後から走って来たデュランは、ラドゥの肩を踏み台にして飛んだ。
ラドゥの魔法で天使の頭上まで飛んでいけた。天使は空を見上げ口を開けている。
(両手を合わせて力を込める!!)
デュランの掌に紫の火の玉が生れた、そしてそのまま彼は口に入って行った。
「うおおお!!デュラン、今だ!!」
ラドゥの体が燃え、突き刺した鉄塊を中心に天使も炎に包まれた。翼が抜け落ち、体もドロドロに溶ける天使。天使の叫びは大地を揺らした。
紫の火の玉を持ったデュランは、合図と同時に火の玉を握り潰した。デュランの両腕は紫の炎に燃やされ無くなった。視界が紫に包まれていく…
意識が遠のくデュラン、天使の体の中を真っ逆さまに落ちながら彼は言った。

「俺がNo.2だ…」


デュランはいつものようにジュリアに起こされる。紅蓮の施設で彼は目覚めた。

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