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ジェノサイダー
その他リレー小説 - ファンタジー

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ジェノサイダー 3

―五年前
デュランは悪逆非道として名を轟かせていたジェイナスと夜の街で戦っていた
「貴様何者だ?いくら武器で殴っても怪我が再生されいつまでたっても死なないではないか」
発言するジェイナスの前でデュランは考えていた
(初仕事でこんな大物にあうとは…俺は運がいいのか悪いのか…)そう考えつつデュランは言った
「こちとら初仕事でね。自己紹介をしている余裕はないんだよ。手短に捕まってくれ」
そう言い終えると左手に持った短剣でジェイナスに斬りかかった。3時間にも及ぶ戦いのすえジェイナスは大量の出血で気絶した
(まさか俺がこんな小僧に捕まるとは…)
ジェイナスは遠のく意識のなか己の無力さを噛み締めた



(まさかあのとき仕留めなかった奴と再会するとはな…次は完全にしとめねぇとな)
そう思いつつデュランは酒場をあとにした


一方ジェイナスはデュランが試合を勝ち進んだことを売春婦から聞いていた
(そうか…デュランは勝ち進んだか。次こそはあいつを八つ裂きにしてやる)
ジェイナスは売春婦が寝ているベッドから立ち上がると果物ナイフで売春婦を突き刺した。血のにじむベッドを尻目にジェイナスは恍惚とした表情を浮かべていた



―翌日
デュランは選手の控室にいた。そしてドアからまたコンコンとノックの音が響いた
「ジュリアよ。入ってもいいかしら?」
「ああ」
手短に返事をするとジュリアはお洒落なスカートを着た格好で控室に入ってきた
「俺になんのようだ?また気絶させられたいのか?」
そうデュランがいうとジュリアは静かにデュランの横に座った
「私ね強い男が好きなのよ」
「そうか」
デュランはぶっきらぼうに返事をした
「冷たいのね。でもクールな男も嫌いじゃないわ。それとねお願いがあるのだけど聞いてくれるかしら?」
「なんだ?」
「ジェイナスを殺してほしいのよ」
静かに。しかし怒りを込めた口調でジュリアは話始めた
「私は元はここの貴族の娘だったのよ。でも8年まえに現れたジェイナスによって両親が殺されてしまったの。それから親戚の家をたらい回しにされたわ。厄介者扱いされたのよ。最後に私を引き取ってくれたいまの両親は優しかった。そのとき私は12歳だったけど心の奥底から感謝したわ。それから私は8年間引き取ってくれた両親から武術を学び復讐の機会をまったの。でもそのチャンスもあなたに潰されてしまった。別にあなたを責めるつもりはないわ。私の修行不足だったんだもの。だからお願い。ジェイナスを殺して」
ジュリアは美しく長い金髪で顔を隠しながら喋った。それはデュランに表情をみられないためだろう
「そうか」
そう返事をしデュランは控室を出た。控室をでようとしたデュランにジュリアはキスをした
「おまじないよ。試合がんばってね」
デュランの顔が赤くなる
「ふふ。可愛いわね。それじゃあね」
そういいきるとジュリアはデュランより先に控室をでた
(ふぅ…めんどくせぇ…だがあいつは殺さないといけないらしいな…まってろよジェイナス!!)
デュランはギュッと手を握り締め試合会場に向かった。その日もデュランの圧勝で試合は終了した

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