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ジェノサイダー
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ジェノサイダー 19

「御迎えに上がりました、ラル博士…」
隊長がそう言うと、椅子に座っている男は背中を向けたまま鼻で笑う。

「余計な事を…、久しぶりだねラドゥ君」
男が振り返ると見覚えがある顔が現われた。男の顔は紅蓮No.2と呼ばれているジルに瓜二つだったのだ。オルガとデュランは眉をひそめる。

「では行きましょうか」
デュランとオルガが不思議そうな顔をしているのに対し、隊長は特に驚く事なくラルの腕を引っ張った。

「ラドゥ、そんな焦るなよ、久しぶりの再会だろ?」
「…私は二度と会いたくなかったんだがね」
隊長はラルを椅子から立たせると、そのまま引きずるようにして研究室の扉に向かう。扉はゆっくり開いた。

「これは…」
「要塞の自爆装置発動のカウントダウンだよ」
隊長が通路に出るとサイレンと共に赤いランプが点滅していた。敵の姿がなかった理由に3人は、“脱出した”という一つの答えを導きだした。

「隊長!!」
「話は後だ、俺についてこい!!」
オルガが声を上げると、隊長はそれに声を張って答えた。ラルも何か言おうとしたが、隊長が首後ろを叩き気絶させた。
3人は走る、隊長はラルを背負っている為に少しスピードが遅かったが、デュランにはもっと気掛かりな事があった。

「ジュリア……、隊長!!俺、ジルたちを探しに戻るよ!!」
「デュラン、何言ってんだ!!」
オルガがデュランを止めようとしたが、隊長はそれを無視して走り続けた。デュランと隊長、立ち止まるオルガから2人とも離れて行く。

「クソッ」
オルガは隊長の背中を追いかけた。隊長に近付くと隊長は言う、「放っておけ」と。

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