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ジェノサイダー
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ジェノサイダー 16

「だとしたら何で俺達みたいな新参者が?」
「それは…」

「二人とも、そこまでだ、No.2は機嫌が悪いらしい、殺されかねんぞ」
オルガが指を立て、夫婦の会話に水をさした。それ以降トラックが止まるまで沈黙は守られた。



「あの谷にある要塞、今からあそこに侵入する訳だ…、行くぞ」
デュランたちはトラックを降りると、真夜中の森の中を突っ走る。草木が生い茂って走り辛いが、敵のセンサーをかわすにはこの道しかないらしい。
森が終わると巨大なエレベーターが姿を見せた。それを囲むようにライフルを持った男達が立っている。
隊長のラドゥが草むらから飛び出そうとするのをヴァレラが止めた。

「ここは私にお任せを」
ヴァレラがそういうと彼女の姿は目の前で透明になっていき、消えた。

「まさに“ゴースト”だねぇ…」
デュランは小さく呟いた。
エレベーターの周りにいる男たちが一斉に棒立ちになると、一斉にその首が落ちた。
「監視カメラの機能は麻痺させましたので、現場に誰かくるまで時間は稼げるはずです」
隊長の隣りに少しずつヴァレラの姿が浮かび上がって来た。隊長が手を振ると皆急いでエレベーターに飛び乗った。

「最上階までいったら、“飛ぶ”からな、心の準備をしておけ」
エレベーターのボタンを押す隊長は怪しい笑みを浮かべていた。
要塞正規の入口、そこを通るには10ある扉を全て通過しなくてはならない。一つ一つの扉にIDカード、指紋、目、声、サインなどの認証機能がついていて、漆黒以外の者が中に入るには不可能だった。
そこでデュランたちはエレベーターを使い、監視塔の上にきている。足下をのぞくと要塞の屋上が見えている。

「飛ぶぞ、心配しなくていい」

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