PiPi's World 投稿小説

デストロイヤー
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 6
 8
の最後へ

デストロイヤー 8

「父親が行方不明で母親が病気になっているから仕方なく…」
(これまたダークな話になってきたな)
「で親父さんの行方は?」
「行方がわかってたら行方不明なんていわないよ。ただ戦争に出兵したときに忽然と消えたとか…」
また泣き出してしまった。そうかと頭を撫でながら言った
(つうかこんなことしてないで宿を探さねぇとな)
俺が立ち上がると少女は問掛けてきた
「どこいくの?」
「宿屋。早くいかないと野宿になっちまうから」
「じゃあ私の家にとまっていったら?」
(知らない人によくそんなこと言えるなぁ)
「くるの?こないの?」
「喜んでいきます」
(スリをやってても警戒心はないとはどういうことか。そこらへんはやはり子供ということか)
そう思いつつ俺は自己紹介をした
「そういえば自己紹介がまだだった。俺の名前はデュラン。18歳の賞金稼ぎだ」
「私の名前はマリア。歳は今年で16かな」
(16か…人生まだまだこれからってときだな)
「なに考えてるの?」
「ん?いや、なんでもないよ」
「それにしてもあなた不思議ね。スリの現行犯を捕まえてなんにもしないなんて」
「俺に変な趣味はないよ。年頃の可愛い女の子をいじめるやつがいるのか?」
そう。たしかにマリアは可愛い部類に入る。長く美しい銀色の髪

整った顔立ちに綺麗な瞳。16歳という年齢なら彼氏の一人や二人いてもおかしくないはずだ
「ていうか見知らぬ人をつれていくかね?普通しないだろ」
「デュランなら大丈夫だと思ったから…」
下を向きながら喋っている
そして何分かあるくと家が見えてきた。木でできたありふれた家だ
「お邪魔しまーす」
「さ、上がって」
「母親は?」
「病院で入院してるよ」
そういいつつマリアは台所に向かった
(写真がおいてあるな。親父さんか?その隣は母親だろうな。赤ん坊はマリアか)
しげしげと写真を眺めているとマリアが台所から戻ってきた
「はい、お茶」
「ありがとう」
そう返事してお茶を飲んだ。お茶を飲んだ瞬間目の前の景色が歪んだ
(なんだこれは?毒か…)
俺は倒れ込みまどろむ意識のなかでマリアの声を聞いた
「男なんて簡単なものね。暗い話をすればすぐ尻尾ふって近付いてくる。あんたなかなかいい線いってたよ。じゃあね」
(やれやれだな…)
俺は完全に気を失った。新しいタイプの毒だったらしく体に抗体がないため気を失ったようだ
(ここは?)
「あら?目をさましたようね。デュラン」
目をさますと俺は上半身裸の格好だった
「ここは城の地下よ」
「また悪趣味なところに連れてきたな。俺をどうするつもりだ?」
そうたずねるとマリアはやたら色っぽい歩き方で近付き俺の耳元で囁いた
「あなたが欲しいのよ。1年前のドラゴン襲撃事件でドラゴンを一人で倒したのはあなたでしょ?」
「だとしたらどうする?」
「そんな戦闘能力を持つ人間を西側に渡すわけにはいかないわ」
そういうことかと頷きさらにマリアが話を続ける
「私たちの味方につけばたぁ〜くさんいいことをしてあげるわよ?」
「俺はどちらの味方にもつかねぇよ」
「そう。なら調教するしかなさそうね」
そういうとマリアは鞭をとりだした
「ちょっと痛いけど我慢しなさい」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す