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デストロイヤー
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デストロイヤー 7

「力づくでもとめてやるさ」
エリーはそういうとマントを脱ぎ捨て暗殺用短剣を俺に向かって投げつけた
(毒を塗り付けてあるな。まあ直撃しても問題はないだろう)

俺は鉄塊を地面に突き刺し腰から短剣を抜くと同時にすばやく回転しマントで飛んでくる短剣を叩き落とした。回転した直後の硬直を逃がさずエリーが麻痺性の毒を塗り付けた剣で斬りかかる
「はぁっ!!」
とっさに剣を受け止め弾き返す
「なんで本気で戦わない?」
俺は挑発した。エリーは目を見開き怒りをあらわにし剣を突き出した。次の瞬間エリーの剣は俺の横腹を貫いていた
「なんで避けないんだよ…」
エリーがそう呟く
「その理由は突き刺さっている剣を抜けばわかる」
しかしすでにエリーに剣を抜き取る気力はないらしく俺は自分で剣を抜き取った。そして傷口がみるみる塞がっていく様子をみてエリーが喋った
「お前、まさか不老不死なのか?」
「ああ、そうだ」
エリーが思っていた疑問の答えを俺は言った。
「俺は100年前に不老不死になって以来各地を転々と渡り歩いてきたんだ」
「なんでそんなことを?」
「暇潰しだな…。あとまわりに迷惑をかけないため。不老不死の存在をしったら私欲にまみれた権力者どもがあつまってロクでもないことをおこすからな」
俺はそのまま手に持った剣を地面に刺し短剣を鞘に納め鉄塊を手に走り出した
(まだ若いからこれから楽しいことは沢山あるはずだ)

―それから1年後
俺はまた賞金稼ぎに戻っていた。秋晴れのなか今日の新聞をみていると戦争のことが書いてあった。東にある軍事国家と西の帝国が和平条約をやぶり突然戦争をおこしたらしい。なにかきな臭いものを感じたが所詮戦争とは無縁なのであまり考えないようにした。そしていつものように賞金首を探して歩いているとなにか不穏な気配を感じた。素早く身構えあたりを見回す。
(なんだ?この気配は。ウザってぇ)
突然後ろから弓矢が飛び俺はとっさに避けた
「矢文か?」
地面に刺さった矢を引き抜き巻いてある手紙をよんだ
(東の軍事国家の傭兵を募るやつか)
少し疑ったが俺は東の方向に足を向けた
(次の街ではなにがおこるんだろうか)


―2日後
(やっとついたな)
東の軍事国家についてからまずさきに宿を探すことにした。雨風をしのげれば問題はない。ここに来る途中に賞金首を見つけ倒したから財布も潤っている
(さてどこか宿は…)
そう考えていると突然人がぶつかってきた
俺はとっさに手を掴んだ
「おい、女。若い身空でスリってか?世も末だな」
「うるさい!!」
よくみるとまだ16歳ぐらいの子供だった
「あんまり悪さしてると親に怒られるぞ?」
「うるさいうるさい!!離せよ!!この馬鹿!!」
(ジタバタウザってぇな。とりあえずそこら辺にでも座らせて落ち着かせよう)
「畜生!!離せよ!!」
「捕って食う訳じゃねぇんだから落ち着けよ」
「畜生!!…畜生…」
そういいながら突然泣き出してしまった
(扱いが難しいな。女の子ってこんなもんだったか?)
やれやれと溜め息をつきながら思った
「落ち着いたか?」
「うん…」
「で、なんでスリなんかしてたんだ?」
煙草に火をつけ問掛けた

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