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デストロイヤー
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デストロイヤー 53

「お、勢いがあっていいねえ。でもよ─」
ラスティンの両腕から緑の火柱がたつと、突っ込んで行ったジェイナスに向けてそれは振り下ろされた。地面が粉々に吹き飛び、爆風が吹き荒れる。

「─相手を選びな」
「クッ、クソジジイ…」
揺れる洞窟の片隅にジェイナスは座り込んでいた。彼の右腕は綺麗に無くなっている。斬られたのと同時に焼かれたからだろうか、全く出血がない。

「お前らの“カイン”は俺だ」
「意味の分からねえ事言いやがって!!ぶっ殺す!!」
「やはりな…。ジェイナス、君は少しそこで休んでいなさい。彼は私が殺る」
「ほお、何か分かったのかな?スコット隊長」
「あなたの事は紫炎の“失敗作”と聞いていたが、どうもおかしいと思ったよ。まさかこんな所で“彼”のクローンに会えるとはね」
スコットは両手を広げると、その掌に風の槍を作りだし穂先に紫炎を灯した。

「カイン。またの名を“デュラン”そのクローンを造ったはずが、失敗。出来上がったのは緑に輝く羽付きの巨人だった。ラルはその巨人からエネルギーを吸い取り、それをカプセルにして“紫炎の種”とした。エネルギーを吸い取られた巨人は小さくなり、タダの人間になった為処分。君の事はそう書かれていたが…、どうやら違うみたいだね」
「そこまで調べてあんのかぁ」
照れた顔で頭を掻くラスティン。そしてすぐ真顔に戻った。

「─じゃあ分かるよな?俺には勝てないって事が…」
ラスティンのその発言にスコットは笑ってみせる。彼は二本の槍を一つのように構えると、それを投げた。その直後スコットは再び両手を広げて笑った。

「そんな攻撃が俺に─」
二本の槍は時間差をつくってきた。まず一本目が目の前で爆発、紫の光がラスティンの目を眩ますのと同時にもう一本の槍が飛んで来た。ラスティンは視界の効かない中それを緑の炎で焼き払う。

「─効くかよ」
視界が回復した時、ラスティンは腹部に違和感を感じた。ふとそこを見ると槍が刺さっていた。それを確認したのと同時に次々と体に何かが刺さっていく。

「槍は二本じゃないよ?」
気付くと無数の槍がラスティンの体に突き刺さっていた。周りを見渡すとまだ無数の槍が宙に浮き、それぞれが攻撃の番を待ち構えていた。

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