デストロイヤー 52
「彼を利用するには人間を理解しなくてはならなかったのだよ…」
ミネルヴァは唇を噛むと走る間もなく姿を消した。
「君達には感謝しているよ、先に城へ戻っていてくれ」
異次元・硝子の城─
「僕達、生きてるよね」
「ああ…」
「そうね」
突然姿を消した三人は、かつて魔王の君臨した硝子の城で、堕天使たちに紅茶をもてなされていた。彼らの表情は和らぎ、怒りはどこかへいってしまっていた。
真中の扉の向こう─
緑の光に包まれた巨大な洞窟。そこにはラスティンと二人のスーツの人物が存在した。
「これはこれは…、“スコット隊長”とジェイナス“くん”じゃありませんか」
「よお、“失敗作”クックックック」
「ジェイナス、無意味な挑発はよせ」
ラスティンは突然笑いだし、それが終わるとまるで別人のような顔で二人を睨み付けた。
「カインの末裔か…、二人まとめてかかって来いよ。一瞬で消してやる」
「ハッ、オメェみてえなジジイが俺達に勝てる訳ねえんだよ!!バ〜カ」
「この覇気…、もしや!!ジェイナス、先に手を─」
「先手必勝!!」