PiPi's World 投稿小説

デストロイヤー
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 49
 51
の最後へ

デストロイヤー 51

「お久し振りです、魔王様」ミネルヴァはオルクスの顔を見てそう言った。オルクスと対峙する三人は皆腕から紫炎をだし戦闘体勢にはいっている。

「ミネルヴァ、チェイン、ドズ…。“私”が封印されてから何年も時が経ったが、皆変わらないようだな」
「変わりましたよ…」
「そうか…、すまなかったな」
オルクスは両脇の剣柄に手首を垂れながら三人に近寄っていく。他の二人を置いてチェインが一人前に出た。

「“あの戦い”に敗れ、あなたが封印されてから僕達はそれを解く方法を探した。残党殲滅の名目で僕達は人間達から命を狙われてきた、それでもようやくその方法を見つけたんだ、でも既に封印は解かれ後、あなたはいなくなっていた!!僕達は何年もかけてあなたを捜した、それなのに再会は敵として…、何の嫌がらせだ!!」
叫ぶチェインの唇は小刻みに震えていた。

「自由に生きたかった」
「自由に生きたかっただと…、うおおおおお!!!」
両腕に紫炎を纏い襲いかかるチェイン。その腕がオルクスに触れる直前に、彼は一瞬にして姿を消した。

「チェイン!!」
その光景に思わず一歩前に出るドズ。彼のハンマーの握る手に力が込められる。

「俺達はな…、魔王様を捜す為にカインの血の契約までして“呪われた”んだ!!このまま殺られるだけじゃ、気がすまねえ!フンガアアア!!!」
ドズはハンマーをオルクスに投げ付けると同時に駆け出した。そして拳に力を込め、そのまま姿を消した。

「1000年以上も封印されて頭がおかしくなったのですか?オルクス様…」
「私が封印されていた硝子の城で何を見てきたと思う?」
「……」
「それは計画され尽くした世界だよ。“ラル”の掌でこの世界は転がされている、それを滅ぼそうとした私も奴の歯車の一つだったのだ。それを知った時、実に不快だった…」
「それだけ…、それだけですか」
「私は決めた、自らの存在を薄め、ラルを殺すと。しかしその為には“彼”の、そうデュランの力を利用しなくてはいけなかった」
「…行きます!!」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す