PiPi's World 投稿小説

デストロイヤー
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 40
 42
の最後へ

デストロイヤー 42

「北の国との闘いを俺達は“龍戦記”と呼んでいる、その龍戦記が終わりお前が姿を消した後、俺達はエリーに出会った─」
「エリーさんは私達を護衛にしたいと言ってきたの、勿論最初は断ったわ、でもクリフが一目惚れしちゃって」
「な、待て!!それはデュランに話す必要ないだろ!!」
俺の質問は二人の思い出話にかき消された。だが不思議と不快じゃなかった、俺は一人旅を続けていたが、仲間といるのもたまには悪くない気がした…

「エリーさんはD国政府のやり方に不満があったみたいなの、貧しい人々を人体実験で物として扱う、そのやり方を─」
「そして三年前、エリーを頭に俺達はジルベースに乗り込んだ、戦場の中、俺達がそこで見たのは“天使”だった」
「液体の入ったカプセルに人が浮いてたわ、皆背中に翼があってまるで天使の様に見えたの…、私達はその闘いに敗れ引き返したわ、すると黒い天使達が現れて街を火の海にしていったの、その時にエリーさんは…」
俺の知らない間に俺の知らない闘いがあって、その闘いでエリーは黒い天使にさらわれたようだ。グレイの言っていた言葉を思い出す…

─実験でボロボロになった被験者─

仮にだ、エリーがボロボロで死にそうになっているとしても、俺には“神様”がついている、一瞬で治癒してくれるだろう。問題ない。

「で、どうやって侵入する?」
「…俺達の時は、外で仲間が戦っている隙に侵入したが、今回は俺とシェリーしかいない、囮にさえなれないかもしれん」
不安そうな顔をするクリフに、俺は装備していた銀の小手と具足を手渡した。いきなりの事に彼は少々戸惑っている様子だった。

「最強の武具だ、今だけは貸しとく、壊すなよ?いってくる!!」
俺は二人を置いて草むらから飛び出した。二人は龍戦記を生き残った屈強の魔法戦士だ、信頼して背中を任せられた。
 草むらの外はすぐ崖だった。俺は一瞬それに足をとられたが、俺はそのまま姿勢を整えて落ちていった。高い所から落ちる時は…

─究極にまで圧縮させた爆発で宙に浮く─

それが昔の上官が言っていた、高い所から落ちる時の対処法だった。昔の俺には無理だったが…

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す