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デストロイヤー
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デストロイヤー 41

口籠ったクリフの代わりに、廃屋から出て来たシェリーがそう言った。

「シェリー待て、いきなりそんな事信じる訳ないだろ!!」
「私は見た!!空から黒い鎧をつけた天使達が降りて来るのを」
クリフがシェリーの言動に頭を抱える。だが俺はシェリーの話を信じていた、この間まで“黒い天使”と戦っていた事、“D国”という国の名前を聞かされた事からも当然のように関心が深まっていた。

「シェリー詳しく教えてくれ、エリーはどこにいるんだ!!」
クリフとシェリーは顔を見合うと頷いた。クリフが俺の顔を真剣にみつめると、口を開く。

「彼女は国の軍事施設にいる、死ぬ覚悟が出来ているなら俺達が案内してやる」
俺が死ぬはずない。だから俺にその覚悟は必要なかったが、今はふざけてる場合じゃなさそうだ…。俺はクリフの目を見ると頷いた。
 夜空の下、俺はクリフ達の背中を追うように走って行く。どこまで走ってもあるのは荒野だけだった、その光を見るまでは…

「伏せろ」
クリフ達じゃなく、俺が彼等の背中を押して草の中へ身を隠させた。俺達の真上をライトをつけたヘリコプターがゆっくり飛んでいく。

「あれは機械兵器だよな…」
「D国は魔法の力に頼らない機械兵器を実戦投入している、この先がその軍事施設だ」
クリフはそう言うと草を退けてみせた、低姿勢を保ったまま俺はそこから顔を出す。すると不気味な光景が待っていた。幾つもの戦闘ヘリがライトで地面を照らしながら、軍事施設の周りを飛んでいたのだ。

「あの中にエリーが?」
俺が後ろを振り返りそう言うと、二人は首を縦に振った。
「あの軍事施設は“ジルベース”と呼ばれている最強の要塞だ、三年前、俺達はあの要塞と戦った─」
「だけど私達は負けた、その時にエリーさんがさらわれてしまったんだ」
 クリフが言ってシェリーが続けた。何故彼等がエリーを知っているのか不思議に思ったが、そこには触れずに、俺はどうやって侵入するかを考えた。

「どうやって侵入─」

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