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デストロイヤー
その他リレー小説 - ファンタジー

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デストロイヤー 31

「まぁそう言うな、こっちだ」
グレイは半ば強引にデュランを休憩室に引っ張り込んだ。
「あそこにいる娘だ、綺麗だろ?」
デュランの肩を寄せ指を差すグレイ、その先にはどこかで見た事のある女がいた。
(あの女どこかで……、ヴァレラ!?)
デュランは思わず目を擦った。そこにいたのは昔の戦友だった。もう半世紀以上が過ぎている、にも関わらずその容姿は美しいまま変わっていなかった。

「お、その様子だと“ストライク”だったな?彼女は下界出身らしい、下界では大活躍だった…、ておい!!」
気付くと俺はヴァレラに向かって歩いていた。後ろでグレイが何やら叫んだが、そんな事はどうでもよかった。俺はヴァレラの隣りの席に自然に座ると、指から炎をだして煙草に火をつけた。
(他人の空似、にしてはよく似てる…)

「何かご用でしょうか」
俺のチラ見がバレていたようだ、ヴァレラは煙たそうな顔で俺の顔を見つめた。

「久しぶりだな、ヴァレラ」
俺の挨拶に“女”はキョトンとした顔をする。(人違いだったかぁ…)
俺は煙草をすって恥ずかしさを紛らわせようとしたが、全然効果がなかった。そんな事をしているうちに、笑顔のグレイが俺の隣りに座る。
「何顔赤くなってるんだ?」
俺が口を開こうとすると、グレイは掌を見せて無言で何度も頷く。
(違う、勘違いだ、別にこの女が綺麗だから赤くなってる訳じゃない)

「さっきそこでバッタリ会ってね、紹介するよ、戦闘力20万のデュラン、こっちはうちの部隊の斥候役“ヴァレラ”だ」
「ふぅん、ヴァレラね……、ってヴァレラ!?」
俺はその名を聞いて驚いた、それに対して相手の反応は極めて薄い、それどころか、冷たい目で俺は見られている。

「チッ、ろくな武器が置いてないな、なんでこの時代に弓矢かねえ、普通銃だろ…、ん?誰」
俺がヴァレラに驚いてる時だ、更なる驚きが俺を待っていた。男の声のする方を見ると、そこには昔の戦友がもう一人いた。
「何だ、もう帰ってきたのか…、まぁ丁度いい、紹介する戦闘力20万の男デュラン、こっちは─」
「オ、オルガなのか!?」
「は?何、お前ら知り合いだったの?」

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