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Beast Master“真”
その他リレー小説 - ファンタジー

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Beast Master“真” 75

「三十年ぶり!!シキミ」
カジと呼ばれたモノが明るく返事を返す
「四年ぶりだ」
会話だけを聞くと友人の再会のような会話だが辺りを漂う空気は半端ではない
「あら?そうだっけ?メンゴメンゴ、なんかサッパリ年月の感覚が無くてさ」
「気にするなぃ、もうすぐそんな心配しなくてもよくなるようにしてやるよ」
瞬間シキミの周りの空間が歪む
「あー、それはカンベン。御免こうむりたいな」
そう言うとマントから右手を出す
「出てこい『戰』!!」
「『デモゴルゴン』!!」
シキミが杓杖を取り出すとほぼ同時に両肩に山羊の顔を持つ異形の生き物が現れる
「さぁてと、シキミ。殺し会おうか」
「・・・お前だけ死んどけ」
そう言うとほぼ同時にデモゴルゴンがシキミに向かい突っ込んだ
人間の三倍はあろうかという拳を戰で受け止めるシキミ
「シキミ!!」
とっさに助けに入ろうとする真
「真!!行け!!」
だがそんな真にシキミが叫ぶ
「だけど!!」
「馬鹿か!!お前には助けなきゃならん奴がいるんだろうが!!なに他人の心配していやがる!!」
「主、シキミ殿の言う通りだ。我々にはやらねばならない事がある」
そう言うワルドに悔しそうにうなづく真
「わかった、死ぬなよシキミさん!」
ワルドを走らせ、真とセドナは敵艦の甲板を駆けていった。


ワルドに乗った真とセドナは、敵艦の甲板の上を駆けた。
ナイを探しに言ったのだろう。いつの間にか早苗の姿が無かった。
「思い出しました。前にもこんな風にワルドさんに乗ったことがありましたよね?」
「ん。ああ、あったよ。列車が襲撃されて森に逃げてさ」
「思えばあの時が始まりでした」
「始まり?」
「私が真を好きになったときです」
「う……」
セドナは頬をほんのり赤く染めて真を見上げてくる。まじで可愛すぎる。
真はセドナの顔から目が離せなくなる。セドナも真を見つめたまま動かない。2人の顔がゆっくりと近づく。
「主……」
「う、ごめん」
背中の上でラブラブモードに入られたワルドがなんともいえない声を出した。それを聞いた真は自分たちが戦場にいることをやっと思い出す。
「残念だけど後に取っておこう。セドナ竜の涙はどこ?」
「……あっちです」
セドナは物凄い鋭い眼つきでワルドを睨みながら応えた。
ワルドは内心震え上がりながら駆け出す。普段はどんなに温厚でもこういう時の女は怖いと悟った瞬間だった。

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