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Beast Master“真”
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Beast Master“真” 74

「ちょうどいい、雑魚ばかりで退屈していたところだ」
荒は新しい煙草に火を点け、大量の煙を吐き出す。
煙草の火気に反応したアトラック・ナチャは彼を標的と定め、二本の毒針で襲いかかった。
荒はわずかに身体をずらして避ける。同時に反撃。ガラ空きの足に斬り付けるが、さほど効いていない。
眉を顰めた彼を、今度は糸が襲った。
粘糸が段平に絡み付き、動きを封じる。咄嗟に手を離そうとするが、腕ごと粘糸に縛られ、宙高く吊り上げられた。
「しまっ……」
身動き取れない荒に毒針が迫る。
「ゴーレム!」
突如戦場に響く幼い声。
文字通りの鉄拳がアトラック・ナチャを殴り飛ばした。
カリンの駆る、早苗との合作のゴーレムだった。
毒針で突かれずに済んだ荒は、火術で粘糸を焼き切って復帰する。
「大丈夫?」
「ああ。助かった」
船首まで吹っ飛ばされたアトラック・ナチャが戻って来る。
だが荒とカリンのもとに辿り着く前に、鉄のゴーレムが行く手を塞いだ。
アトラック・ナチャは激昂し、粘糸を吐いてゴーレムをグルグル巻きにした。
動きの鈍ったゴーレムを押し倒し、長い足の下に組み敷く。毒針を有した頭部は後方の荒とカリンを睨んだ。
「ゴーレム!!」
カリンは叫び、レイラインを介してゴーレムに魔力を注ぎ込む。
するとゴーレムの目が輝き、粘糸の拘束を破ってアトラック・ナチャを突き上げた。
立ち上がったゴーレムは天を仰ぎ、声なき声で咆哮した。
目と同じ輝きを放つ拳を握り締め、アトラック・ナチャに叩き込む。すると拳から雷が迸り、弾けてスパークした。
「とどめは任せな!」
荒が叫ぶ。彼の背には御鷹の翼。
「いくぜ!」
「『一白太陰九紫に太陽』」
バチバチッと翼が放電を始める
「『乾坤九星八卦良し』!!」
荒の身体が発光する
「『怒れ神鳴る浄化の光』!!」
その瞬間正に雷のようなスピードでアトラックナチャに突っ込んだ
「っらぁぁぁ!!」
爆発的な突進力でアトラックナチャを甲板から弾き飛ばし海上の虚空に放る
「『神雷柱』!!」
その言葉と同時に海上に雷の柱が立った
 
「・・・さて、と」
神雷柱を見届けたシキミがイージス艦の後方に視線を向ける
「真、後は頼んだぞ」
「え?」
真の言葉より早く嫌な空気が真に届いた
「やはりお前が絡んでいたか『カジ』」
ゾクリとする空気のその先にそれはいた
全身を黒マントで覆い、顔にはカボチャ、ジャックランタンの面をつけた『モノ』
人の形をしているだけで決して人ではない。そういう『モノ』がそこにはいた

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