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Beast Master“真”
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Beast Master“真” 73

「直撃は避け、船体をかすめながら相手船舶を停止させて下さい」
「了解」
早苗の指示の元、イージス艦が進路を変える
「もうすぐか…」
そう言うと相手船舶を睨む真
「緊張するのか?」
実質戦闘は魔法生物任せなためけっこう暇なシキミが真の横に立つ
「まぁ…しないって言ったら嘘になるな」
「でも、惚れた女の為に命張るんだ、緊張してるひまはないんじゃないかぃ?」
「茶化さないで下さいよ」
そう言うシキミに真が怒る
「別に茶化してねぇよ」
シャンタク鳥を消滅させながら呟く
「ひとつ言っておくがもし間に合わなかったら世界のため、俺はお前達ごと船を撃つぞ」
シキミが冷たく言い放つ
だがその程度のことを恐れる真ではなかった。
「いいですよ。世界が無くなるよりずっとマシだ」
「……度胸がついたな」
真はもう未熟で弱くて情けなかった頃の彼とは違った。
草薙市で出会った彼とはまるで別人だった。
「ああぁっ!」
突如、セドナが悲鳴を上げて倒れた。
真と早苗は慌てて彼女に駆け寄る。
見ると、セドナの身体が薄く発光していた。
「竜の涙が干渉を受けてます! 悪しき魔力で汚れて……」
「わかるの!?」
「はい、なんとなく」
「まだレイラインが繋がっているのだろう」
レイライン、目に見えない超常的な繋がりのことだ。真とワルドの間にもある。
「こちらから邪魔することは?」
早苗が聞く。するとセドナは頷いた。干渉可能ということだ。
「早速お願い致します」
「無理はしないで」
「はい」
セドナは目を閉じ、向こうの船の秘宝に呼び掛けた。
すると、海にいたダゴンがことごとく消え去っていく。秘宝で魔力を底上げして召喚していたのが、干渉を受けた為に維持できなくなったのだ。
『敵艦、停止しました。接舷します!』
通信機が告げた。
接舷のショックで艦が激しく揺れる。甲板から下を見下ろすと、敵艦のデッキが下方に確認できた。
早苗がシルフを召喚して飛び移る準備に入る。真はワルドの背に跨がった。
「セドナ乗って!」
「あ、はい!」
真はセドナを呼んで後ろに乗せた。
「お願いだ、おれを竜の涙のもとに導いてくれ!」
「はい、喜んで!」
「行くぞワルド!」
「うむ」
二人を乗せたワルドは敵艦のデッキに飛び降りて行った。早苗も風に導かれて降下して行く。
その直後、艦橋前の甲板にアトラック・ナチャが顕現した。

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