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Beast Master“真”
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Beast Master“真” 72

「来ます……」
セドナが呟く。
東の方を見ると、化け物の大群の中に船の姿が見えた。
「決戦だぞ主」
「ああ。みんな、長いようで短かったこの戦いもこれで最後だ。片っ端からぶっ飛ばして、みんなで帰ろう!!」
『おおーーーっ!!』
 
 
「艦長、二時の方角に針路を変更。そのまま敵艦に突撃してください」
『了解』
早苗は会議室から持ってきた通信機で艦橋に指示を飛ばした。レディ・セドナ号はすぐに指示通りの動きを始める。
『針路変更。敵軍との衝突まであと5分!』
『シャンタク鳥がこちらに向かっています! 数はおよそ100!』
艦橋からの通信が無くてもそれはわかった、大きな鳥の魔物が近づいてくるのが甲板からも良く見える。
「対空砲火。弾幕を張ります」
『了解!』
艦の武装が火を吹く。イージス艦と呼ばれる軍艦は対空防衛に優れた艦である。空の敵に対しては相性が良い。
「おぉ、どんどん落ちてるな〜!」
シャンタク鳥が次々と撃ち落されていく様を見て、アクセルが楽しそうに言う。その横で荒が感心したように頷いた。
「現代兵器も意外といけるもんだな」
「本当に恐ろしいのは人間、か……」
そういうシキミはやや苦々しい顔で戦場の光景を見ていた。
「だが撃ち漏らしもある。来たぞ主」
「わかってるって!」
弾幕を潜り抜けた数体が艦のすぐ近くまで接近している。
さらに海から深きものどもが飛び出し、甲板に取り付いた。
「私達も始めますわよ」
早苗がアゾット剣を手に取る。そして手近に居た深きものどもに突進していった。一気に距離を詰め、すれ違いざまに首を飛ばす。勢いをそのまま保ち、さらにもう2体片付けた。
アクセルも甲板中を走り回り、深きものどもを片付けていく。セドナもそれに加わり、海水を使って水弾をマシンガンのように撃ちまくる。
荒、シキミの2人はシャンタク鳥の始末にまわった。
「発雷!」
荒の放った大きな落雷がシャンタク鳥を捉え、撃ち落す。
「でてこい『芥』『死・屍・粉・塵』」
シキミは新しく埃が舞って煙になったような魔法生物を作り出し、シャンタク鳥を襲わせた。埃に包まれた化け物は分解されて塵に変わり、消滅した。
『衝突まであと1分。敵艦針路変更!』

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