PiPi's World 投稿小説

Beast Master“真”
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 64
 66
の最後へ

Beast Master“真” 66

「どっから戦艦なんて持って来たんだよ!」
「正確には軍艦、オーストラリア軍から買ったの……」
『買ったのかよ!』
男子3人?が同時に突っ込んだ。ところで残るセドナとカリンはというと。
「おっきい船ですね〜」
「うん!」
イージス艦を見上げて、ほのぼのとしていた。男女間でかなりの温度差である。
「ところでお嬢様、この艦には名前が無いのですが……」
「名前、そうね……ただイージスと呼ぶのも芸が無い……」
考え込む早苗。その横から真が提案を投げ掛ける。
「あのさ、レデイ・セドナ号ってのはどう?」
「へ?」
まさか自分の名前を使われるとは思っていなかったセドナは大いに驚いた。
ワルドと荒がニヤニヤ笑い始めたのも見て、真は慌てて説明する。
「ほ、ほら、セドナってもともと海の女神の名前だろ!?」
「そう、海を監視する厳しき女神セドナ……海上防空の要たるイージス艦にはピッタリかもしれない。いいわ、それではこの艦は《レディ・セドナ》で通しましょう」
特に反対案の無い早苗は真の案を採用した。


間もなく真たちはレディ・セドナ号に乗船した。出港準備は整っている。あとはアクセルの到着を待つのみだった。
 
用意されたお茶を飲みながらアクセルを待っていると
「?」
伏せていたワルドが不意に何かに気付いたように立ち上がった
「どうした?ワルド」
「いや…今一瞬嫌な臭いがしたのだが…」
「っとスマン煙草、煙かったか?」
荒が謝る
「いや、その煙草のような嫌な臭いではなくこう…我々人外の根底に刷りこまれているような、そんな嫌な臭いだ」
「?」
と、真の鼻にも変わった臭いが届いた
「…なんだ?どこかでかいだことのある臭いなんだけど…」
うまく思い出せない
「…昔こんな臭いさせてた人がいたとおもうんだけど…」
真がうんうん唸っていると
「こりゃぁ…『線香』の臭いじゃねぇか?」
ふと、荒が呟いた
「!、そうだ線香!!線香だよ!!」
しかし何故こんなところで
日本ならともかくここはオーストラリアだ
「あ、思い出した!!」
まだワルドと出会う前にこれと同じ臭いをした人物に会っている
名前はたしか…
「『シキミ』…」
真がそう言うと同時に階段を白い髪の人物が昇ってきた
「ん?……お前さんはたしか…」
白髪の男が目を細め真を見る
「知り合いか?」
「あぁ、昔会った事がある人だ」

「真……だったかね?」
「そうですよ、シキミさん。わすれちゃったんですか?」
がっかりしたような呆れたような感じに肩を落とす
「いやなに、昔とはえらく雰囲気がちがったもんでね。昔はもっとこう情けない感じがしたもんだが…」
昔の事を言おうとするシキミの口を大急ぎで塞ぐ真
「そっ、そんな事よりもなんでシキミさんがここに?」
「ん?なにやら人と人外のバランスを崩そうとしている輩がいるといわれてな」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す