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Beast Master“真”
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Beast Master“真” 60

「大丈夫なのか?」
真の言葉にアクセルが軽く笑う
「ま、瞬殺はされないかな。心配するな『保険』はかけてある。召喚されても直ぐどうこうという事にはさせないさ」
そう言うと右手でバンカーファングを掴んだ
「ソーマ飲んだ今ならお前もユリウスとほぼ同じ力の筈だ、あとはお前の根性次第ってとこやね」
アクセルがグッと力を込めバンカーファングを振る
「突破口は作ったるから一気に走れよ」
空を斬り裂く音が響くと同時に辺り一帯を埋め尽した深きものどもを無数の鞭撃が消し飛ばした
「行け!!真!!」
アクセルが叫んだその時、横の壁が崩れて自動車一台分はありそうな蜘蛛の化け物が姿を現した。
「アトラック・ナチャ!」
「なんだよそれ!?」
「世界中の蜘蛛の頂点に立つ……言わば女王よ」
「それだけあっちも本気ってことか。しゃーねぇ、お前ら二人で行け!」
荒は段平を抜き、アクセルを助けに入った。
「私たちも行きましょう」
「お、おう」
早苗はシルフを召喚し、飛んだ。真も走って後を追う。
(これは……!)
真はソーマの効果のおかげで、闘士系並の速さで走れるようになっていた。
(高志郎と同じくらいか……これなら足を引っ張らないな)
速度を上げ、早苗の背中に追いつく。
「急ごう」
「ええ」

洞窟を走り抜けると、砦の地下通路に出た。一本道を全力で走り、目的地を目指す。やがて大きな扉が見えてきた。
「だりゃぁ!」
真は天虹を取り出し、炎の属性弾で扉をぶち破った。
通路から出る。その際、一瞬だけ視界がフラッシュした。
訝しく思いながらもホールの中を見渡す。
右側に見覚えのある祭壇が見えた。どうやらさっきの部屋に戻ってきたらしい。
そして部屋の中央、大きな魔方陣の中心でユリウスが竜の涙を掲げて、呪文を唱えていた。反対の手では魔術書が光っている。
「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うが=なぐる ふたぐん」
「ユリウスーーーッ!」
真はユリウスの姿を認めるや、床を踏み砕くほど強く蹴った。20メートルほどの距離をたった5歩で走破する。
「させないさ」
「それはこちらの台詞ですわ!」
ユリウスと真との間に突如ナイが割り込む。それを早苗の風が遮った。
「うおおぉぉぉ!」
真は渾身の力を込め、天虹の銃身でユリウスの頭を殴った。よろけたところで腹に前蹴り、駆け寄って肘打ち、顔面に膝、左足を軸に回し蹴り。
ユリウスは抵抗する暇も無く、真の攻撃を受け続ける。魔術師系の弱点は接近戦、ユリウスもその例に漏れていなかったのだ。故に、さっき飲んだソーマによって闘士系並みの身体能力を発揮できる真の敵ではない。
「当たれ!」
真は左手の銀閃で弾丸を撒き散らした。弾丸は全てユリウスに命中し、彼を壁際まで吹っ飛ばす。

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