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Beast Master“真”
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Beast Master“真” 58

「さあ、僕の心霊手術をごらんあれ」
ナイが無邪気な、それでいて残酷な笑みを浮かべた。開いた左手でセドナの服に手を掛け、強引に胸元を開かせる。そして光る右腕をセドナの胸、鎖骨の間あたりに突き入れた。
「い、ひぎゃああぁぁぁっ!!」
セドナの身体が仰け反って背中が浮き、大きく開いた口から獣のような悲鳴が上がった。
「セドナ!」
「動かないでもらおうか」
「くっ!」
飛び出そうとした真と荒の前にユリウスが立ち塞がる。
ナイはなにかを探すようにセドナの胸の中を弄った。手を動かす度にセドナが痙攣して悲鳴を上げる。
「お、あったよユリウス」
なにかを見つけたナイはそれを掴み、一気に腕を引き抜いた。セドナの身体が急に弛緩してガクンと落ちた。
「これが竜の涙……」
ナイは自らの手が握っている宝玉を感慨深げに見た。
宝玉はピンポン球くらいの大きさで、色は青。表面は光を乱反射し、中に透過した光は内部で流動している。まるで海をそのまま宝玉にしたようだった。
「でかしたぞナイ。それではここでショーは終わりだ。無粋な観客には退場していただこう」
無粋な観客、もちろんそれは真たちのことだった。
「では…」
ユリウスが魔力を集中する
なんとかその場を逃げようとするが間に合わない
「さらばだ」
魔力が高まった時だった
なにかが空を切り裂く音が響きわたりユリウス、そしてナイや信者達を弾じき飛ばした
「…逃げられたか」
シールドを張ったユリウスが呟く
「あんな奴ら逃げたってどうってことないよ。でも…」
「今の『鞭撃』は誰が行ったのか…か」
常人には速すぎてなにをされたのかわからない攻撃を鞭撃と見極めているユリウス
「…儀式を早めたほうがいいかもしれない。ナイ、準備を」
「う…」
真が目を開ける
「生きて…るのか?」
見回すと洞窟の中のようだ
「目が覚めたようね」
目を覚ました真に早苗が話しかけた
「早苗が助けてくれたのか?」
「いえ…貴方を助けたのはあの人よ」
早苗が指し示した方向にいたのは…
「アクセル!!」
驚きのあまり起き上がった真の体に激痛が走る
「っつう…」
「はいはい、無理はしないのマコッちゃん。せっかく助けてあげたのに」
やれやれといった感じに手と肩を上げる
「なんでお前が…」
真の問いかけに答えるように首元まで引き上げてあったコートのファスナーを引き下げ、前を開く
コートの下には十字架を模したネクタイとペンダントをつけていた
「その格好!!貴方バチカンの…」
早苗の言葉に軽くうなづく
「バチカンエクソシス、セフィロト十字軍セフィラ名『ビナー』のアクセル、これのなっがいのが俺の肩書き」
そう言うと真の眼前に立った
「回りくどいのは好きだけど、率直に言おう。真、以下その仲間達に協力を求めたい」

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