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Beast Master“真”
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Beast Master“真” 56

ウィルバーの術は、光弾を作り出す式を魔術文字として腕に彫り、詠唱を極限まで削ってあるため速い。その上、詠唱を省略する事で発生する狙いの甘さをカバーする技量と判断力。荒はウィルバーを強敵と判断した。
「なるほど、退屈せずに済みそうだ。ここんとこあのボケダラばっかりだったからな」
「お喋りする暇は無いぞ」
「そっちこそな」
荒は顔面に向かってきた光弾を弾く、そして次の瞬間ウィルバーの真後ろに現れた。段平を脳天目掛けて振り下ろす。
ウィルバーは咄嗟に光弾を真下の床にあてた。足場が崩れ、段平が外れる。
「決まったと思ったんだが。なかなかやるな」
「貴様、いつの間に!」
ウィルバーの視線の先、荒の背には翼が生えていた。彼はいつの間にか御鷹と合体していたのだ。
だが合体はいい一瞬で済む。問題はいつ使い魔を召喚したのかだ。
「いつの間にって言うか、最初から居たぜ。この部屋に入る直前からな」
荒はこの部屋に入る直前、真やワルドですら気付かないうちに御鷹を喚び出して待機させていた。油断も隙も無い男である。
「さてと、あちらさん方は一撃で決める気満々らしいからな。こっちもとっとと勝負を決めちまおうぜ」
そう言うと煙草を口にくわえる
「大盤振る舞いだ」
すると荒の背に無数の段平が現れた
「遠慮すんな、受けとれ」
ニヤリと笑うと背の段平をウィルバーに投げた
「チィ…!!」
投げられた無数の段平を光弾を回転させ弾く
だが段平に気を取られていたウィルバーに荒が迫る
しかし
「遅い!!」
荒の一撃より速くウィルバーの光弾が荒を貫く
「まだだ!!」
そう叫ぶと更に数えきれない程の数の光弾が荒に着弾し砂煙が上がる
「…!!」
仕留めたと思っていたウィルバーだったが直感のようなようなものが働いたのかその場を飛び退く
一閃
ウィルバーのいた場所に荒が段平を振り下ろしていた
先程光弾を打ち込んだ場所を見ると人型が結ばれた段平が一本転がっている
「変わり身か…だが詰めが甘かったな!!」
そう叫び魔力を集中しようとした時だった
「甘いのはお前だよ黒魔術師」
「なにっ…」
ウィルバーが周りを見ると先程弾いた段平がウィルバーを取り囲むように突き刺さっている
「『金華六宝四象の八卦南離離為火巽の元へ奈落迦火!!』」
段平に気を取られている間に素早く印を結ぶ
「貴様ぁぁぁ!!」
二手三手先まで完全にはめられたウィルバーが叫ぶ
「『吽』ッ!!」
そんなウィルバーを嘲笑うように最後の印を結びくわえていた煙草を放り投げた
「『対牛樓』!!」
放り投げられた煙草がウィルバーの眼前にきた瞬間段平に囲まれた『陣』の内側が爆ぜた

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