PiPi's World 投稿小説

Beast Master“真”
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 52
 54
の最後へ

Beast Master“真” 54

カチリと音を立て錠が外れる
魔法でさらなる施錠がしてある思ったがと思いのほかあっさりと鉄扉は真達を向かえ入れる
「っと…おかしいと思わんか?真」
「あぁ…大事な場所、特に儀式を行う場所を守るにはあまりにも貧弱な施錠だ」
「それにあのホゲダラ導師が自分の利益にならないのにこんな集団に従ってるわけがねぇ…気をつけろ下手すると裏があるぞ。とんでもねぇ裏が」
荒の長年伯白と殺りあった経験がそう告げる
「でも引くわけにはいかない」
真が強く言い放つ
「まぁな、そんじゃま」
「行こう!!」
真の合図で部屋に飛込んだ
 
そんな真達を見送る影がひとつ
「あらら…施錠を『ディスペル』したのに気付いちったかな?まぁいいや、囮役をしてもらえればなんにも問題はないし。んで?そっちの調子はどーよ?」
その言葉に答えるようにもうひとつ影が現れる
「調子はいいヨ。大量の人魚の血に肉に怨念、それに太陰。申し分なしネ」
それを聞くと影がニヤリと笑う
「なるへそ。ならあとは召喚をするにしろ妨害されるにしろ俺の目的は達成出来る訳か」
「そーネ。まぁワタシは契約さえ守って貰えればいいアルけどネ」
「『理解』してるって、これに協力する代わりに俺達バチカンはあんたを追わないってんでしょ?」
「はいそうネ。なら安心ヨ、ワタシ滅せるのは貴方達か神器持てる程の魔術師だけだからネ」
「まね、さてと俺もそろそろ『本当』の仕事しにいきますかね」
そう呟くと二つの影は溶けるように消えた
 
床の扉は小さな部屋につながっていた。小部屋の中には特に何も置かれておらず、誰もいない、奥のほうに観音開きの大きく重厚な扉があるだけだ。ここはどうやら控えの間のようだった。
「奥に進もう」
真はノブに手をかける。その途端、鋭い威圧感が扉を通して伝わってきた。緊張しながらゆっくりと扉を開ける。
扉の向こうは意外にもかなり広い地下空間だった。体育館の四倍ほどのスペースがあり、天井も高い。置くには巨大な祭壇が築かれていて、蛸に似た醜悪な生物を象る巨像が鎮座していた。あれがクトゥルーだろう。
そして巨像に祈るように、たくさんの人間と深きものどもがホールにズラリと跪いていた。みんな吐き気をもよおす不気味な呪文を繰り返していて、真たちには気づいていない。
「よく来たね、魔獣使い。いや、今は神殺しと呼べばいいのかな?」
「ナイ!」
祭壇の上からナイが話しかけてきた。それでやっと侵入者に気づいた狂信者達が、一斉に真たちを見る。
その敵意の視線を浴びながらも物怖じしない真は叫んだ。
「セドナを返せ!」
「いいよ」
『は……!?』
意外な返答に固まる二人と一匹。その様子に嘲笑を浮かべながらナイは続ける。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す