PiPi's World 投稿小説

Beast Master“真”
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 34
 36
の最後へ

Beast Master“真” 36

当然、アクセルどころか澪まで黒焦げだ。
真は自分の手落ちを悔いた。
(くそぅ、どうする…!?)
アクセルと澪は密着状態、下手に手が出せない。
(いや、待てよ…)
一つだけ切り抜ける手がある。だがそれはあまりやりたくない。
(まぁしょうがないか…)
「さぁさぁどうする?」
アクセルはこの状況を楽しんでいるふしがある。ムカつく。
「え〜と…澪ちゃんだっけ? マジでごめん」
「ふぇ?」
真は『天虹』を澪に向けると、少し躊躇しながらも撃った。
銃弾は、澪の脇腹を貫通してアクセルの腹のど真ん中に当たった。
「ぐはっ!」
アクセルの拘束が弛む。
澪は血を流しながら倒れ…たりはせず、走って真のそばまで行き、顔面を殴った。もちろんグーで。
「なななな、なにするですかぁ!!」
「い、いや、だって…」
澪も人魚だ、治癒能力は高い。実際今の傷も既に塞がりはじめている。真はそれを利用して澪ごとアクセルを撃ったわけだ。やはり怒られたが。
「と、とにかく下がって。あとはおれが何とかするからさ」
「むぅ、あとでセドナちゃんに言いつけちゃいますから!」
澪は荒い鼻息を吐きながら、真から離れた。
「どうやら戦果をあげて相殺するしか無いようだな主よ」
「そうだな。おい、オマエまだ生きてるんだろ」
「お、気付いたのか?」
倒れていたアクセルは、撃たれたダメージなど無いかのように、平然と起き上がった。
「あの炎を浴びても無傷だったんだ。銃で撃たれたくらいで死ぬなんて思えないさ」
炎の中で燃えなかったことから見て黒いコートは耐火属性なのだろう。だがそれでも無傷なのはおかしい。つまりそこにこそ相手の青年の能力の秘密がある。
真はそう看破した。
「あーぁ。バレちまったか」
「貴様、もしやエミグレ文書を…!」
「ああ、その通りさ」
黒いコートから書を取り出す。古びたそれは強大な魔力を帯びていた。
「やはりエミグレ文書か」
「それってミスカトニック大学から無くなった魔術書のひとつじゃないか!」
恐れていたことが現実となった。時期から見て彼らの手に渡っている可能性は高かったが、事実としてそれを認識した時の衝撃はやはり大きかった。
「ミスカトニックのことも知ってたのか。じゃあ説明は不要だな」言って彼は構える。
「俺はアクセル。エミグレ文書のマスターだ」
名を名乗る。それは全力で戦う決意をした戦士の儀式。
「もう小細工は無しだ。さっさとケリ付けようじゃないの」
「そうだな。こっちもこれ以上遊ぶ気は無いよ」
真も銃を構えて、アクセルに対峙した。
「銃」
アクセルが槍斧を構えたまま呟いた
「銃じゃ俺には勝てねえっすわ〜」
そう言いながら飛び上がり真に向かい力一杯槍斧を振り下ろした
「うわっ!!」
そのの一撃を避けると拳銃をアクセルの額に撃ち込んだ
「・・・効かないって言ったじゃん」
額から流れる血をペロリと舐めるとニッと笑った
「両断されても死なないのにこんな豆鉄砲くらい何発喰らっても死なない死なない」
プッと拳銃の弾を吹きまた槍斧を構えた
「チッ、予想以上のバケモノだな」
「だが主、あまり時間も割いていられんぞ」
確にセドナ達が巧く逃げられたか気になる所でもある

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す