PiPi's World 投稿小説

Beast Master“真”
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 33
 35
の最後へ

Beast Master“真” 35

「カカ、ドロドロに融けろアル!」
「そうはいかねーんだな、これが」
「は…、ギャヒッ!」
数本の断平が横様から伯白を襲う。串刺しにされた彼は思いっ切り吹っ飛んだ。
「同じ轍は踏まないんじゃなかったのか?」
荒は救い出した澪をお姫様抱っこして立っていた。お得意の変わり身だ。
「不意打ちはやられたこと無いアル」
やはり立ち上がる伯白。
澪を下ろした荒は断平を構えて対峙した。
「んで、こっちはアンタ等が相手してくれんのか?」
「まあ、そうだろうね」
アクセルには真とワルドが対峙する。
「いくぜワルド!」
異空間から取り出した二丁拳銃を手に、ワルドを傍らに、真は駆けた。
銀閃を連射しながら戦い易い間合いまで詰める。
弾は魔術の追尾効果でアクセルに向かって行ったが、全てハルバートで弾かれてしまう。
「ワルド!」
銃弾を防いだ隙をワルドが突いた。ハルバートが迎え撃つ。
「テイル・エッジ!」
「ギガン・バースト!」
真とアクセルが同時に叫んだ。刃となったワルドの尻尾と白熱する斧槍がぶつかり合う。
「ぬぅっ!」
「だありゃあ!」
轟音とともにワルドは弾き飛ばされた。危うくバランスを崩しかけたがなんとか持ち直して着地する。
「あのパワー…闘士系だな」
「そのようだ」
距離をとるワルドと真
「そっちは魔術系?って、まぁいいや」
片手で槍斧をブンブン振り回しながらそう言うとガンッと地面に叩き付けた
「こっちも早く終わらせて、『アイスカフェオレ』飲みながらゲームしたいんスわ」
「ふざけるな!!」
アクセルの軽い口調に真が叫ぶ
「熱いね〜、熱い熱い」
パタパタ手で扇ぎながら槍斧によりかかる
「主、相手のペースに飲まれるな」
「・・・わかってる」
だが、アクセルの態度に真のグリップを握り締める
「んじゃま、軽く逝っとこうか」
そう言うと槍斧を軽く持ち上げ肩に担いだ
そして空いた片手でクイクイと手招きしてくる。来い、という事だろう。
安い挑発だ。気を持ち直した真は引っかからない。しかし最大の隙でもある。相手は接近戦型。
(だったら……!)
真は目を閉じ、精神を集中した。口から詠唱の祝詞が漏れる。
アクセルは止める様子も無く待ち構えている。
程なくして、術は完成した。
ワルドの口があんぐりと開き、熱い赤光が中から覗く。
「バーニング・ラウド」
大玉ほどもある火球がワルドの口から発射された。
アクセルに着弾し、激しく燃え上がる。
「あちちちちっ」
「きゃあぁぁぁ」
火勢は強く。近くにいた荒と澪にまで余波が及んだ。
「あちゃあ、やっぱ思いつきの術じゃ加減がイマイチだなぁ」
「だがしかし威力はなかなかだ主」

「うん、なかなかだ」
まだ燃える炎を身に纏いながらアクセルが真達の前に出てきた
「でもこれくらいじゃぁ俺は死なないねぇ」
そう言うアクセルに向かい真とワルドが再び構えた
「主」
「あぁ、またやるぞ」
再び先程の呪文を唱え始める
「おっと、そうはいかないんだわ。『バンカーファング』」
その瞬間アクセルの右袖から澪に向かい真っ直ぐ『蛇』が放たれた
「キャッ・・・」
服の襟首に噛みついた蛇をぐいっと引っ張り澪を引き寄せた
「さてさて、この状態でさっきの大技を放ったらどうなるでしょ〜か?」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す