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Beast Master“真”
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Beast Master“真” 26



数分後
「陸さ〜ん」
「陸さんとやら〜」
「出て来〜い」
森の中を叫びながら歩く一行
「主、魔の臭いがする」
「敵?」
「恐らく」
片手で銀閃を握りながら辺りを見回す
「主!!右だ!!」
ワルドの声に全員が右を見た
「ん?」
全員の視線の先にコンビニ袋を片手に下げた青年がいた
「りぐ〜」
その青年を見た少女が半泣き状態で泣き付いた
「『マリオン』、昼御飯買ってくるからジッとしてなさいって言ったでしょ?」
グスグス泣き付く少女に聞こえる訳もなく、陸もため息をつくと少女の頭をポンポンと撫でた
「すいませんね〜、大変だったでしょ?」
にこやかに笑う青年に安心した真が銀閃から手を離した
「いえ、そんな事は・・・」
青年に笑顔を返した瞬間、
「主!!」
ワルドが体当たりをし、真を突き飛ばした
「ワルド、一体何を・・・」
起き上がった真の目に氷球に包まれたワルドが写る
「ちぃ・・・」
「ワルドさん!!」
段平を取りだそうとした荒とワルドに手を伸ばしたセドナの両手も同様の氷球が包み動きを封じる
「な・・・」
余りの出来事に言葉に詰まる
「あちゃぁ〜ミスっちゃったな〜」
青年が漢字書き間違っちゃったな〜と同じように言い放った
「うん。ま、いっか」
ポンッと手を合わせ自己納得をする青年
「・・・」
なんとか銀閃を掴み青年に向ける真
「別にね、恨みがあったわけじゃ無いのよ」
そう言うと銃口を向けられているのが見えていないかのように、泣き疲れて眠っている少女を抱きかかえコートに包むと近くの木の下に寝かせる
「自分バイト生なんよ、時給二万で雇われたバイト生」
ポンポンとコートにくるまれた少女を優しく叩き真に視線を向ける
「だからこの集落に近付く人間抹殺しなきゃならないワケなんよ〜」
立ち上がる青年
「もっとも、割がいいからやってる臨時のバイトなんだけどね〜」
そう、にこやかに笑いながら言い放った

「じゃ、そゆことでー」
そのにこやかな笑顔に向かい真がトリガーを引く
額に弾丸を喰らい青年が後ろに倒れた
「セドナちゃん!!」
天虹の炎でセドナと荒の両手とワルドの氷球を溶かす
「ワルド、すまない」
「いや、主のせいではない」
短く謝罪をいうと倒れた青年に向かい銀閃を構えるが
「いない!?」
確に弾丸が直撃したはずなのだがそこに青年の姿は無くただ、潰れた弾丸が一つ転がっていた
「魔術を構築する時間はなかったはずだが微かに魔力の気配がする・・・」
魔術構築無しで氷球などを出せるということは
「相手は私と同じ『変身系』です!!」
空気中の水分子の動きを感知したセドナが一番に気付いた。
「おそらくそうだろう。闘士系でもできない事はないが芸が細か過ぎる」
ワルドが後を引き継いで分析する。気功で戦う闘士系でも気を具現化させて炎や氷を出せるが、それらは接近戦向きで遠距離だと極端に精度が下がる。ということは敵は超自然的な力を使う変身者と見るのが妥当だろう。
「んで、相手の特性がわかったところでどうでる?」
荒が真を促す。彼には良い案が無いのだろう。
「おれとワルドに任せて二人は下がっててくれ。多分おれ達があいつと一番相性が良い。それに、おれは氷使いが大嫌いだからな」

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