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Beast Master“真”
その他リレー小説 - ファンタジー

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Beast Master“真” 25

数分後、上空
「うわ、飛んでる」
「風が気持ちいいです」
「ふむ、なかなかな乗り心地だ」
御鷹の背に乗った二人と一匹が思い思いの言葉を呟く
「ごめんな〜荒、俺たちだけ背中に乗って」
真が叫ぶ
「あ〜、気にすんな。っていうか話しかけるな。かなり虚しくなるから」
さて、この御鷹の主荒はと言うと、先程盛大に開催された『誰が背中に乗るか大ジャンケン大会』により大敗をきして、現在御鷹に両肩を捕まれた状態で飛んでいるのである
「あの山を越えた先です」
セドナが目の前の山を指差した。山の先にある小さな漁村が彼女の故郷だそうだ。
だが真は山よりもセドナに見とれて目が離せなかった。彼女の今の恰好はホテルのレストランから拝借したウェイトレスの服だ。いつまでも下着の上にシーツをかぶってる訳にはいかないのでたまたまあったそれを着せたのだが妙にハマっていた。
「どうかしましたかワルドさん? 難しそうな顔してますけど」
「いや、なんでもない。それよりも先程のセドナには驚かされた。あれ程の力を隠していようとはな」
「それなんですけど私でもどうしてあんな力があるのかわからないんです」
セドナは戸惑ったように歯切れ悪く言った。
「なにもできない自分が悔しくて…真さんを助けたいって心から叫んだら…強い力が溢れて…」
セドナは思い出して、今更だが恐怖を感じた。
なにか得体の知れない何かが奥底に潜んでいる。それが堪らなく怖かった。
「見えたぜ」
下から荒の声がする。御鷹は山頂の真上に差し掛かっていた。
海岸線沿いに民家の集まりが見える。
「あそこが?」
「はい。人魚の集落です」
「でもあれは…」
集落はパッと見おかしいところが無い。人も普通に歩いているが。
「みーんな魚顔だぞ」
荒が双眼鏡で見たのは人に化けた深きものどもだった。
「とりあえず離れた場所に降りるぞ?」
荒の言葉に御鷹が高度を落とす


集落から少し離れた森の中に着陸した一行
「で、ど〜するよ、ぶっちゃけた話この人数であの数相手にしてこの集落解放すんのは無理があるぜ〜?」
見回すだけでザッと20はいるであろう深きものども
「魔術師だってまだいるんだろ?」
クライドを切り裂いた女に李伯白、クライドを捨てゴマ扱いするくらいだ、あれくらいの魔術師はまだいるのだろう
「だからって・・・」
諦められる訳はない
延々とイタチごっこのような議論をくりひろげていたときである
「りぐ〜・・・りぐぅ〜・・・」
スンスン鼻をすすりながら半泣きの少女が森の中を歩いて来た
「お嬢ちゃん、どうしたの?」
「グスッ、グスッ」
セドナが膝を屈め鼻をすする少女に語りかけた
「りくがいなくなったの・・・」
どうやら迷子らしい
「大丈夫よ、あのお兄ちゃん達が探してくれるから」
「本、当?」
「うん本当」
セドナが二人に振り替える
「「え?」」
「良いですよね?」
妙な迫力に圧倒される
たっぷり時間をかけ
「「・・・はい」」
うなづいた

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