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Beast Master“真”
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Beast Master“真” 22

だが必死の抵抗も空しく。銃弾と水弾はすべて浮遊する剣に防がれてしまった。
クライドの剣は武器であり同時に防具でもあった。
クライドが真に肉薄する。
白と黒の斬撃を真はまた二丁拳銃で受け止めた。
流れるような斬撃をその都度受けるが防戦一方のためどんどん押し込まれていく。
魔術師の身体能力は全系統最下位。よほど武術で鍛えた人物でもない限り接近戦は苦手だ。
真もその例に漏れず、だからこそ銃を武器としているのだ。
「遠距離封じられたんじゃ厳しいな・・・」
ワルドで近距離攻撃に持ち込んでも本来の力を出しきれていないワルドでは押しきることは難しいだろう
しかもセドナちゃんを守りながらだと更に厳しくなる
「せめて荒がいればなんとかなるかもしれないんだけど・・・」
真が呟いた


その頃の荒はと言うと
「っだぁぁ!!」
「覇ぁぁぁ!!」
激しい金属音が響き廊下を挟み両側の壁に弾き飛んだ
「へぇ・・・この前とは一味違うじゃねぇか」
反対側の伯白に向かう荒
「舐めてもらっては困るヨ、この李伯白、同じ轍は踏まないアル」
伯白が手を上げると札が集まり円月刀になる
「行くアルヨ」
伯白が言いきる前に荒が斬りかかる
「能書きはいいから手前ェは死ねや」
段平を円月刀で弾き蹴り上げるがその蹴りを段平で受けると同時に弾かれた段平を離し、珠が子供の頭ほどある数珠を取り出す
「撃ち貫け『八文義珠』!!」
荒の言葉に反応し文珠が伯白に襲いかかった
「急々如律令!!」
パンッと両手を合わせると円月刀が札に戻り飛翔する文珠を弾く
「柳宿正神 以珍笑々」
ブクッと腹が膨れる
「『蝕阿』ッ!!」
「なっ・・・」
伯白が吐き出した障気の塊が防ぐ間もない荒に直撃した
「カカカカッ!!殺ったアルヨ!!」
伯白が歓喜の叫びを上げた
「・・・誰を殺ったって?」
数本の段平が体を貫く
「な・・・」
確かに当たった、防ぐ暇は無かったはずだ
「ツメが甘ぇんだよ」
見ると先程荒がいた場所には円月刀で弾いた段平が突き刺さっている
「『変わり身』カ・・・」
「そゆこと、ってワケで・・・」
突き刺さった段平を掴み伯白の体を引き裂いた
「シャクだが手前ェをここでぶっ殺せるなんて思っちゃいねぇ、だがこんくらい殺っときゃしばらくは動けねぇだろ?」
バラバラに引き裂かれた伯白に向かって忌々しげに言い放つ
「とりあえず今回は雇い主を助けなきゃいけねぇから相手はまた今度してやる」
段平を収めると真の後を追った

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