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Beast Master“真”
その他リレー小説 - ファンタジー

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Beast Master“真” 21

「(ん?濡れた髪?・・・)」
その瞬間真の頭にある考えが閃いた
「ワルドにセドナちゃん、ちょっと耳かして」


しばらくして扉の封を破りクライドが廊下へ出てきた
「チッ・・・ふざけた真似を・・・時間稼ぎにしかならんことが分からないのか」
弾丸の嵐とワルドの攻撃をいなしながら怒鳴った
「あぁ、わかってるさ。だけどな、その時間が必要だったんだよ」
「なに?」
真の銃が炎を放った
瞬間、スプリンクラーが作動しクライドに降り注いだ
「これは・・・」
見るとセドナの力のおかげで真とワルド達は全く濡れていない
「弾丸は防げてもこれはどうかな?」
真が水が降り注ぐスプリンクラーに向かい銃を構えた
銃身に刻まれた刻印が光軽く放電する
「な・・・やめ・・・」
クライドの言葉を遮るように真の銃が『雷』を放った
「ガァァァァァ!!!!」
雷を纏った大量の水がクライドに襲いかかる
「舐めるなぁぁ!」
雷撃に身を裂かれながらもクライドは吠えた。いつの間にか抜いていた剣を床に突き刺す。
剣がアースとなり雷撃は軽減された。
「奴め、なかなかやるな」
ワルドは舌打ちした。
「そっちもな。今のは危なかった」
「そりゃどうも」
「どうやら本気で行かないと手に負えないらしいな」
「本気、だと!?」
「そうだ。まさか物を飛ばすだけだと思ったのか? それでは十剣とは名乗れないだろ?」
言いながらクライドはもう一本の剣も抜いた。
右手に白い剣。左手に黒い剣。対になっているようだ。
「出番だぞ。【レヴェリィ】」
剣の名を呼ぶ。
次の瞬間、真達は我が目を疑った。
二本の剣がそれぞれ五本ずつ、計十本の剣に分身した。その内二本はクライドの手に、残り八本は衛星のように彼を取り巻いて公転している。
「なるほど確かに十剣だな」
「行ってる場合かよっ。来るぞ!」
真が叫ぶようにツッコんだのとほぼ同時にクライドが斬りかかって来た。
真はワルドを前に行かせて呪文を紡ぐ。
「テイルエッジ!」
クライドの斬撃をワルドの尾が受け止めた。「甘い!」
公転していた剣が飛んでワルドを襲う。
左右からの挟撃をワルドは真上に跳んで躱した。
その横をすり抜け、また二本の剣が飛ぶ。狙いは真達。
「うわっ!」
もう一度雷撃を撃とうとしていた真は詠唱を中断して、二丁拳銃で剣を叩き落とした。
「主!」
ワルドは急いで戻ろうとする。しかし四本の剣が目の前の床に突き刺さり、鉄格子のように進路を遮った。
止まったワルドの上をクライドが跳び越えて真達に向かって行く。スプリンクラーの霧雨の中、双剣を手にして、二本の剣を傍らに引き連れて。
真は足を止めようと魔術無しで二丁の拳銃を連射した。セドナも水の散弾で援護する。
狭い廊下で近距離。超能力でも見切れない弾丸は逸らせないはず。

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