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【旅】
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【旅】 4

「ホント?」
「ああ、その証拠に旅の準備がしてあったよ。きっと君の為にしてくれたんだ」
「やったぁ!!」
「そろそろ僕は行かなきゃいけない…、そうだ。君にこれをあげるよ」
「これって…」
「一人旅には危険がつきまとうからね、護身用に銃の一つぐらいもってないと。“君の好きなように”使うといいよ」
「でもホントに貰っていいの?」
「ああ」
「準備してくるよ!お姉ちゃんいないかなぁ」
「じゃあ僕は先に旅に出るよ、さようなら」
「ありがとうお兄ちゃん!さようなら」
青年は建物を出るとヴァイクにまたがり走り出した。途中化け物の屍と女性の遺体があったが、知らないふりをして横切っていった。道はひび割れ、植物のつるが走る邪魔をしていた…


男の子はお姉ちゃんを探したがどこにもいない。出口の前に荷物の詰まったリュックを発見するとそれを背負ってみた。少し重い。

…暫くしてもお姉ちゃんは現れない。男の子は青年のこっそり旅立った事を思い出し、それに習って建物を出た。
外は様子がおかしかった。壊れた鉄の乗り物が放置され、高層ビルも窓は割れ植物のつるが巻き付いていた。そこらじゅうに雑草が生え、人気さえなかった。

「お姉ちゃん…」
男の子は整備のされてない道路を走り出す。そして彼女を見つけた。まさしくお姉ちゃんだった、でも体がひきちぎられていた。近くには頭に穴があいてる化け物が横たわって死んでいた。

「なんで……」
男の子は青年に貰った銃を握り締めたまま震えていた。目からは涙が止めどなく溢れてくる。

「お姉ちゃん…」


青年がヴァイクを走らせていると、後ろの方から銃声が聞こえた。青年は振り返らず、ただ歯をくいしばっていた。ヴァイクをただただ前と走らせていた。

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