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飛剣跳刀
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飛剣跳刀 6

「忘れないでよね、あたしがあなたのこと先生って呼んであげてるのは、城太郎の顔を立ててるからよ、あなたそのものなんて、この場で殺したってちっとも構わないんだから…」
「わかった、わかった」
苦笑の顔の飛衛を横目で眺めて、ティンバロがぼそりと呟いた。
「可愛い顔でおっかねえこというなぁ」
「うるさい、何よ、この薄汚いオカマ野郎!あたしがどんな顔で何言おうと勝手でしょ、今度妙なこといったら許さないから」
「オ、オカマ…」
ショックを受けたティンバロは口をパクパクさせたが、…自分の格好を眺めてみれば、依然娼婦の変装姿だ。どうせバレるんなら、よりによってこんな格好を選ぶのではなかった。
「さてと、厄介な客人は芙蓉が消してくれたらしいから、安心して、改めて訊くぞ?ティンバロ、お前何者だ?」
「な、何者って…そんな、大した…」
しどろもどろで手を振るティンバロを、飛衛は疑わしげなニヤニヤ笑いで眺めていたが、
「…別に、いいぞ?」
やおら低い声でさえぎった。
「は?」
思わず、ティンバロが聞き返したのへ、やはり飛衛は聞き違えようもなくいった。
「別に、素性の事情の、話したくなければ話さんでかまわん」
「はあ…?」
ティンバロが呆気にとられたような声をだしたのも、無理はない。
「じゃ、何で訊いてんのよ、まどろっこしい」
芙蓉がつっこんだ。
「いや、知れば知ったで面白いし、知らんなら知らんで楽しい」

「…いいかげんね」
呆れたように、芙蓉は溜め息をついたが、
「ま、いいや。あたしもこいつが何者で何をしようが興味ないし。関係もないし」
「はて、そうかな?」
意味ありげに、飛衛が口を挟む。
「…何がいいたいのよ?」
「さあ?」
「さあって…」
しばらく、飛衛の顔を睨んでいたが、ややあって、
「わかったわ。あたしが城太郎にくっついて行くつもりなら関係のある話になるっていいたいのね」
「賢いな」

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