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クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜
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クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜 10

彼女の全身に血管が浮き、肌がどす黒い紫色に変色していく。びくびくと脈打つその光景に、コハルミまでが思わず冷たいものを覚える。
「ハァ、ハァ…グウゥッ!」
占い師の口から獣じみた声が漏れる。血走った目はカッと見開かれ、頭を抱える手には鋭い爪が見え隠れする。
「まさか、禁術を使っていたの!?」
禁術…それは、強大な力をもたらす魔術の極致であり、それに比例して術者への負担が非常に高くなる魔術の総称だ。少しでもコントロールを失えば、即『力』の暴走を生み、大抵命を落とす。
「ねぇ、コハルミ…あの占い師の人を助けれる方法あるかな?」
乾いた声でヴィンがコハルミにそう言った
「はぁ?何言ってんの!?あの女はあなたたちを殺そうとしたのよ」
「そんなの、関係ない!オレは目の前で苦しんでいる人がいるのに、その人を見捨てることなんてできない」
ハッキリ言ってコハルミは呆れていた…だが、そんなこと言うヴィンが輝しく見えた
「わかったわ、あの女を救う方法はあの女を殺すことよ…
「あの人を…殺す?」
唖然とする彼を余所に、コハルミの視線は変貌する占い師に据えられている。
「正確には彼女に乗り移った何かの魂を、ね。恐らく、あの女は『この世に在らざる何か』から力を借りていたの。今、あの女の体の中では二つの魂が闘っているわ…残念ながら、戦況はご覧の通りだけど」
「その魂を追い出せば、彼女は元に戻るの?」
「あの女の魂が闘いに耐えてまだ砕けずに残っていれば、ね…」
「やっぱり、他の方法はないんだよね?」
「まぁ、今のところはね」その言葉を聞いたヴィンは一度、深呼吸をして剣を持ち直した
「なら、やるしかない」
ヴィンの視線は、荒れ狂う占い師に向けられていた
「一つだけ忠告しとくわ、あの女を殺すなら、本気で殺しなさい。生半可な気持ちで戦おうとするとアンタが死ぬことになるは…だから、殺すなら本気で殺しなさい!」
「わかった、ありがとうコハルミ…じゃあ、行ってくる」
ヴィンは、占い師に向かって走り出していった
「ガアァァァァ〜!!」
本能的に自分の危機を察知した占い師が両手から炎を出した(来る!!)ヴィンは直感で横に回転した。
案の定、回転した直後に占い師が出した炎が通って、いった。炎を出した反動でふらついた。ヴィンはその瞬間自分の勝利を確信した近づけば、大体の魔術師はほとんど体術を身につけていないため接近戦は不得意な者が多い。
(真っ二つにしたら、あの人が完全に死んでしまう…なら、払いより突きのほうが助かる確率が高い!!)ヴィンは剣で占い師の腹を狙い、突きをした。

だが血を流したのは、ヴィンだった

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