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クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜
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クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜 6

「んじゃあ、どうしたら良いんだ?」
『待ってました』と言わんばかりの満面の笑みを見せるコハルミ
「ヴィンは、『情報』を利用する方?それとも『情報』に利用される方?」
考え込むヴィン…考え込んだあげくに出した答えが
「う〜ん、わからない!そんなに、情報通じゃないしどちらでも良いよ、そんなのオレは」
その言葉を聞いてコハルミは何故か慈愛に満ちた顔になっている(良いなぁ〜、何だか幸せそうで…)
「私たち鼠はね、どちらでもないの、必要があれば情報を操作するの…そのためには、ヴィン。あなたが必要なの」


その翌日。
かの占い師はいつになく不機嫌だった。普段ならとっくに長蛇の列ができているはずの彼女の店は、とてつもなく閑散としていた。
時々客らしき人が前で逡巡するのだが、彼女と目が合うと逃げるように去っていくのだ。
(事件の痕跡は完全に消したはず。あの二人が万が一生き延びて吹聴したにしても、噂の広がりが早すぎる…)
「考えられるのは、あの二人が組織を動かした?組織…魔術師ギルド、盗賊ギルド、あと国を動かしたなら有り得る話ね、けどあの二人に国は動かせるかしら、まず無理ね…魔術師でもない二人が魔術師ギルドを有り得ないわ…一番有り得るなら盗賊ギルドね…利害一致が一番出来そうな感じだしね」
ブツブツと一人言を、言っている自分を妙にいやらしくもあるが、また冷静でもいられると思う…今なら何でも出来る気がした。そう思えるようになったのは、あの日からである。

――それまで、彼女はしがない流れの占い師だった。独学で覚えた幾つかの初級魔術を使って細々と占いをしていたが、それでろくに食べていけるはずもない。
ある時、手持ちの金が底をついた彼女は流れ着いた先の街でとうとう行き倒れてしまった。そんな彼女に、ある老人が手を差し伸べたのである。
『君には力がある。我々ならそれを引き出して、今よりずっと大きな力を手にすることもできるだろう。君がその気なら、ついてくるがいい』
彼女は誘蛾灯に惹かれる虫の如く、その老人についていった。
「さぁ、ここだよ」
唐突に目の前にドアが出て来て開いた。何故かどこをどう歩いてきたのかを、全く覚えていない。老人にどこに行くのかを聞くと老人は…
「君は、私に付いていくるだけで良い」
そう言うと、老人は中に入っていた。それを見た彼女は、少し慌てながら老人を追い掛けた…


入ったそこの場所は、机とその机の上に瓶があった。瓶の中には、紫の色をした変な液状が入っていた…
「その瓶の中には邪竜パレイオスの爪を砕いて液状にしたモノだ…それを飲むと君の望むことが出来るはずだ」

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