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クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜
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クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜 5

「い、いや、悪かったよ嬢ちゃん。鼠の親(元締め)ってのは長の下に別にいるもんだと思ってたから」
たじたじとなりながら言い訳するイージー。
「何よそれ、じゃ、アタシは鼠の親にふさわしくないって言いたいワケ?!」
コハルミの怒りは収まらない。というか、自分が若くして長になったのを軽く見られまいとしているのだろう。
「コハルミ、その辺にしておいてくれない? イージーも反省してるみたいだから」
深々と頭を下げるヴィン。コハルミはヴィンのその行為に驚き、そして好感を持った…コハルミの過去は罵られの連続だった…三歳の時に、親に捨てられ、それらを見た盗賊ギルドに引き取られ最初は猫(スリ)として働き、その時に盗賊ギルドに顔が通るようになり、2年程前に盗賊ギルドの長が死にコハルミは押し付けられるように長になった。十代で長になったため周りに非難され罵られ、時には血を見る事もあった。そのコハルミが、ヴィンの謝罪に出した答えは…
「…ほら、頭を上げなさいよ。それじゃまるでこっちが悪者じゃない」
「え、じゃあ…」
恐る恐る顔を上げた彼に、コハルミはやれやれと肩を竦めてみせた。
「いいわ、あんたに免じて今回は大目に見ましょう。それとイージーさん、アタシを名前以外で呼ぶなら『長』って呼ぶこと。今後アタシを『嬢ちゃん』なんて呼んだら夜道を安心して歩けなくなるわよ」
イージーは苦笑して両手を軽く上げた。
「さぁ、アンタたちの知りたがっている占い師はね、ここ最近、よく当たる占い師で有名になった人よ」
「ちょっと、待ってくれ有名になったて…どういう事だ?」
コハルミの言葉に疑問を感じているイージー
「そう、ついこの前まで売れない占い師だったのに、急によく当たる占い師で有名になったのよ。その理由は、きっと『魔術』よ。しかも禁忌の魔術アイテムを使っているような感じね」「あぁ〜、御託はいいからあの占い師の居場所を教えてくれ〜」
しびれを切らしたヴィンが声を荒げた
「焦るな、ヴィン。ここからが肝心なんだからな。悪い、続けてくれ」
態度を改めたイージーにくすりと微笑みかけ、コハルミは続ける。
「正確な居場所は、盗賊ギルドの情報網を以ってしても残念ながらはっきりしないわ。というのも、その占い師は毎日塒(ねぐら)を移動してるのよ」
「よっぽど見られたくないモノを抱えてるってわけか。しかし、『魔術』ったって一朝一夕で覚えられるもんでもないんだろ?」
「問題はそこなのよ。鼠が餌(情報)を取りにくいのも、『魔術』を恐れて近づきにくいからなのよね」

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