PiPi's World 投稿小説

クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 11
 13
の最後へ

クエストフォース〜竜キラーを目指す男〜 13

「アイツは…」
呆然とするイージーだった


 二日後…
盗賊ギルドで寝ている一人の剣士がいた彼の名はヴィン。二日前にある占い師と壮絶な戦いをして瀕死の状態だったので盗賊ギルドの長コハルミが神団に頼んでヴィンと占い師の傷を直してもらった。ただ、両方とも瀕死の傷を負ったため…かなりの金が消えていったという話もある。その戦いが終わる寸前に槍使いの大男イージーが謎の老人と出合った事をコハルミに話し「老人を捜す」と言ってケルラの街を一人出た。イージーが街を出たと同時にヴィンも目を覚ました
「うう…ここ、は――?」
呟いて身体を起こそうとしたヴィンだが、全身に走る激痛に呻き声を上げて再び倒れる。
「ううん…あ、ヴィン! 良かった、気付いたのね」
その声を聞いたヴィンが、今度はゆっくりと首を横にする。見れば、自分の枕元にコハルミが目を擦りながら腰掛けていた。
「…もしかして、看病してくれてたの?」
「はぁ?何で、アタシがアンタなんかの面倒を見ないといけないのよ」
コハルミは、そう言ってヴィンに罵声を浴びさせたが何故かヴィンは喜んでいる「あはは、何でだろうね…あっ、コハルミ」
「うん、何?」
「あの占い師の人は大丈夫だった?」
「アンタより、元気に生きてるわよ…あの女は、アナタに礼とを話したいそうよ」
「えっ、オレに?」
「何か、重大な話があるらしいわよ…入りなさい」
コハルミがそう言うとドアが開き一人の女性が入ってきた

「あの、その……助けて頂いて、本当にありがとうございます。ご迷惑をおかけしました」
深々と頭を下げる。その顔は紛れもなく占い師のそれであったのだが、柔らかい雰囲気はまるで別人のようだ。
「そんな、オレは大した事は――でも、本当に良かった」
心の底からの、子供のようにあどけない笑顔。それにつられて占い師の顔にも微笑が浮かぶ。
(これだから、放って置けないのよね……)
コハルミの呟きは幸いと言うべきか、誰にも聞き取られることはなかった。
「わたしは…何者かに取り憑かれていた、そうなのですね?」
占い師が言い出した。どこから漏れたのやら…、ギルド内でもちきりの話だから、目が覚めた瞬間知ったことかもしれない。
「うっすら、記憶はあるのです。でも、どうしてそう考え、行動したのか、いま考えたらさっぱり…でも、わたしの持っている、これ」
と、占い師は懐から水晶を取り出した。
「これに濁りが出たことから、操った人に思い当たりました」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す