これが東アジア共和国も含めてどう出るか？東アジア共和国は地球連合加盟しているが先の戦争では資源衛星“新星”が陥落、更に台湾にあるカオシュン宇宙港が陥落した事もあり大西洋連邦主導の地球連合に参加するも激戦続きであった……更にジョシュア派遣部隊の殆どがＭＩＡ、そして国土が回復したのはユニウス条約締結後だ。そしてＭＳ開発はスカイグラスパーを開発/製造したフジヤマ社主導になっているが……大西洋連邦は自国企業の生産されたＭＳを同盟国に押し付けたい意向もあるが……その矢先にユニウスセブン落下テロ事件は北京と上海を壊滅的被害を受けた。こうなると東アジア共和国政府は元より大西洋連邦政府の風当たりは可也のモノだ。そのガス抜きに東アジア共和国に押し付けたＭＳ開発規制を緩めた噂もある……そうでもしなければ大洋州連合侵攻していた部隊の兵士を見殺しにされてもおかしくない。
　
「噂の東アジアのガンダムが出てくる可能性もあるのか？」
「あれはストライクガンダムをチョイ弄って外装を変えた奴ですからねぇ、活躍させるならこんな密林よりも砂漠の方が同じ軍広報としてはよろしいかと思いますが……」
部隊に同行している軍広報に属するナチュラルの女性兵士は自虐気味な表情をしつつもジン.オージーの後継機である“ＯＳＭＦー３０００　ヅダ”を見上げた。自分も数時間前に機密解除されるまで知らなかったのである……確かにザクに似ているが何処か貧相に見える。
「こいつはザクとの競合していたんだがバックパックに致命的な欠陥が見つかってね……シグー同様に行き場を失っていたが他の所は問題は無い、それなら宇宙空間で無い所なら問題は無いっていう事で……」
同行していた技師が告げるとパイロットらの表情は愕然となる。欠陥機の可能性もあるのだ。
「ちゃんとモルゲンレーテ社から譲渡された量子コンピューターらの検証して再設計しているから問題は無いっていう事か……まあ受領しないと帰れないか？」
隊長は書類にサインをして技師に渡した。
最も前線密林地帯に持ち込んだのなら幾重にもトライ＆エラーを洗い出している……ＭＳを開発し実用化しているプラントだが泣き所は人材の少なさだ、それ故に社会も国民も高度な要求を求め続けた結果、適応しきれない幾人かのプラント育ちが外へと流出する……大洋州連合は抱える諸問題の解決する人材としてコーディネイターを使う事を決め手始めにプラントと同盟を締結、更にコーディネイターの定住促進を促す為に優遇政策を打ち出した。無論同国に元から住むナチュラルの反発もあったのだがナチュラルだけでは限界がある事も事実、そしてブルーコスモスに支配された大西洋連邦主体の地球連合の侵略されるも、ほぼ国土は奪還出来たのである。大洋州連合がじっくりとＭＳ運用環境を整備出来たのも大西洋連邦の弱体化を示している。


ミネルバは地中海へと進路を取りつつも艦橋ではハイネとアスランがプラント本国にあるザフト参謀本部から送付された大洋州連合国産ＭＳのスペックを開示した、今後乗る可能性もあるのだ……。
「ゼグは癖が強く汎用性に関しては今一つだが国土防衛には向いている機種だ……ケンプファーヘイズルはブレイズウィザード装備のザクよりも機動性がある、強襲されるとガンダムでも倒されるな」
「どうしてザフトの換装装備に対応してないんですか？」
「一つは国土防衛の為にコンセプトを限らせ侵攻する事は無い事を示し、もう一つはＭＳ保有台数制限を遵守する為だが……条約は形骸化するな」
ハイネの言葉にアスランは頷く。
「複座にする意味は……ナチュラルならサポートＯＳが」
「ラゴゥだって複座さ、ルナマリア……オーブは連合系だ、ザフト系のフレームとは差異もあるからサポートＯＳ自体も作り直ししている筈だ
アスランは思う、確実に大西洋連邦は弱体化しているのだ。
大洋州連合国産ＭＳ開発を察知できなかったのも頷ける……まあプラントに難民として保護されたモルゲンレーテ社の方々も関与していると思えば……因みに大西洋連邦もオーブ難民を受け入れると表明したが実際に受け入れ数は僅かにとどまりモルゲンレーテ社の技師はいなかった。
「更にコレも新型機……“ＯＳＭＦー３０００　ヅダ”、大洋州連合のザクっていう事ね……とりあえず地上密林での運用をメインにするわね」
タリアが告げるとメインモニターに映るＭＳ、ゼグやケンプファーヘイズルと比べると重厚感が薄い……だがジンに近く映像には追加兵装を装備した同型機見るとジンと同じシステムだ。
「問題は東アジア共和国はどうでるかだ」
「強奪されたくないからガンダムは隠すだろう」
シンの言葉に一応に納得する……。