更に言えば大洋州連合は既に国産のＭＳをロールアウトしているのだ。第一次オーブ解放戦争は難民を産み受け入れ先に大洋州連合も引き受けた。その代価はＭＳ技術、取り分けナチュラルサポートＯＳはレイスタの登場もあって国産ＭＳに搭載される事になる。“ＯＳＭＦー１０００　ゼグ”……情報通りなら今頃首都は激戦になっている。



「ザ、ザフトの新型か！！」
ウィンダム二機は遭遇した正体不明のＭＳの大群を見て司令に通信を試みるも砂嵐である、そして頭部が千切れ左腕もちぎれた。
モニターはサブカメラに切り替わるが衝撃がコクピットを揺らした、倒れたのだ。
「くっ！首都を奪還する気か！」
隣に居たウィンダムはビームサーベルを引き抜くも、外見上鈍重なフォルムな反面脚部側面にあるバーニアによりスライドしタックルをされよろけそのままビルに押し付けられた！
「首都でこの様な事を……ただでは済まないぞ！」
首都と言っても廃墟が手付かずのまま残り地球連合が統治していると言う主張には程遠い現実、そのＭＳパイロットは躊躇なく銃口をウィンダムのコクピットに合わせレーダサイドの光が見えた。
「くっ！！！！」
飛び降りたウィンダムのパイロットは振り向くとウィンダムが破壊されていた。
「つまり、鹵獲する気なしかぉ！」
パイロットは直ぐに走るがそのＭＳは本部がある方へと……よく見ると同型機が多数だ。
「ザフトの新型じゃない……まさか」
十分あり得る、大洋州連合は先の戦争でオーブからの難民を受け入れたのだ……技術が拡散している事は明白だ。
地球連合司令部もその懸念は持っていた……。
「撤退するべきです」
「なに！カーペンタリア基地にガルナハンでの捕虜が多数護送されるのだぞ！！」
「首都や熱帯雨林エリアを抑えられてないのに……しかも別方面では新たな未確認ＭＳも出てますよ」
写真を出した士官に将校が眼を白黒させる、ザフトの機体か……いや、まさか……。
「中将！敵襲です！」
辛うじて残っていた大洋州連合軍参謀本部が揺れる、地の利はあちらにあるのは誰でも分かる。


数時間後……大洋州連合首都は奪還された。侵攻を指揮していた司令官らは超音速機により脱出……残された兵士らは東アジア共和国領土内に逃げた。
地球連合に参加していた元大洋州連合の将兵らの手引きであり彼らは投降を選んだ……ザフトも一応部隊をカーペンタリアから展開させたが半数にも満たない戦力、東アジア共和国軍の侵略も想定していたが外れた……これは東アジア共和国でも地球連合に対する不信感が根強く自国ＭＳ開発も妨害……これでよく大洋州連合に展開していた大西洋連邦軍兵士を匿ってくれたがそれをダシに交渉するだろう、ディアッカはプラント最高評議会の指示でこの作戦に参加したが背後を突こうとした連合艦隊を返り討ちした程度だ。ミネルバが遭遇したＭＡも出てきたがグフ.クラッシャーの猛攻により沈んだ。
「ーディアッカ副長、物足りない感じっすー」
「あれだけ連合のＭＳを殴り壊してＭＡまで仕留めて……はぁ」
破砕球に関して何処から発想を得たのか不明だがディアッカは前の戦争終盤にてドミニオンに搭載された後期ＧＡＴーＸの一機に装備していた機体がある事は知っていたのでそこから発想を得たかもしれない……だがグフクラッシャーのサイズは……ハイネが言っていたがアレを相手にするのならバスターガンダムでないと死ぬだろうと納得するしかない。
「まあ、まあ……噂の大洋州連合国産ＭＳを試乗出来ただけでも御の字さ」
「ーう〜ん私としてはゼグは似合わないっすね、ケンプファーヘイズルはいいっすけどー」