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機動戦士ガンダムSEED Dα 閃光の少女
その他リレー小説 - 二次創作

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機動戦士ガンダムSEED Dα 閃光の少女 45

同じ軍人としては納得できない命令だろう……NJCの流出した時点で何か裏があると疑うべきだ、地球連合の将はこれが出来なかった故に核弾頭で自らの戦力を奪う醜態を晒した。
「ー隊長、引き返しますか?ー」
「そうだな……歩兵は周囲を警戒」
二機のジン.オージーの足元には頭部と右腕が無いダガーLが仰向けで倒されておりコクピットは潰れていた。歩兵らが駆け寄るも首を横に振る、オイルと血が流れていたのだ……潰れた箇所を見るとミンチになっているだろう。仕方ない、斬艦刀ではなく棍棒だったからな……ナチュラル用サポートOSがインストールされてないジンだ。


連合軍前線基地は洋上にある巨大フロートの上に設営されていた。当初は放棄された基地を使用していたが夜襲が相次ぎ、作戦行動の長期化……元々は火星探査用に思案されていたモノらしい。
「ちくしょう!!!!トニーがやられた!!!」
ダガーLから降りて来たMSパイロットは叫ぶ。
「落ち着け……整備兵!ダガーLの地上歩行関連のプログラムはどうなっている!特に密林歩行時のだ!!!」
汎用型であるが歩行機能に関してはある程度は変更しないと歩く事すら儘成らない……このダガーLは数日前までは宇宙にて活動していたので地上用プログラムに変更しただが不安定な大地に足が踏ん張り切れずにたった二機のジンにより一機のダガーLは胴体部を棍棒で強打された。モニターからも分かるコクピットの潰れに通信機は砂嵐の音……煙幕を張って逃げるのが精一杯だ。
「二機のジン……もしかして掠れた大洋州連合の紋章が肩にあったか?」
「そうだ」
「そりゃあ運が無かったな、トニーとやら……大洋州連合でも精鋭部隊を指揮した老将とその懐刀が乗る機体だ、ナチュラルだが強いぞ」
カウボーイが被る帽子をくるっと回し、連合の制服を着た男はニッとする。
「元部下である俺が言っているんだ、出撃する前に注意はしたよな……二機のジン.オーガーに出会ったら逃げろってね」
「くっ!!」
「何故、連合に居る?」
「親が生粋のブルーコスモス狂信者でね……“大洋州連合がプラントの植民地になった”と発狂してデモを扇動していたのさ……まあそんな事をしても資源も農産物も生み出せない不毛な大陸を使い物に出来ないがね……大西洋連邦大統領は利益を独占する為にこの国をプラント常任理事国にしなかった、それなら手を組むさ」
ダガーLのパイロットらは絶句する。
「あのジン.オーガーを倒したいのなら、エースを呼んできな……ブルーコスモス思想に染まった奴がいいぞ……」
その男は分かっていた、今の地球連合にはブルーコスモス思想に同調するエースパイロットは居ないのだ……あのプラント核攻撃の大失態でどれだけ素体を失ったのか……彼の友人もMSパイロットして参加し核の閃光に飲み込まれ“遺体無き棺”が遺族の元に届けられた。彼の場合は色々と事情があり参加を免れた。
「あんまり整備兵に怒鳴るな、彼らも慣れてないんんだMSには……たった二年でどれだけモノになっているのかジブリール様は余程ナチュラルを過大評価しているなぁ」
一人が銃を構えた瞬間にその男も銃を構えていた。
「わりぃな、死んだ祖父がマカロニウェスタンが好きでねぇ……」
「そこまでだ……アーノルドも客人らを挑発するでない」
「少将、申し訳ありません……」
如何にも現場叩き上げ感を持つ鋼の肉体である事は制服からも分かり、横に居る兵士らが銃口を向けていた。
「知っての通りあのジンはプラントが大洋州連合の為に開発したジンだ」
「!!!」
「大洋州連合はオーブ解放戦争時に発生した難民を受け入れているがそれ以前に開発され実用化された……いやはやあの方はコーディネイターではないかと言う噂も絶えないお方さ」
基地司令の少将は大洋州連合の将校であり祖国の方針に反した一人で少数派である……大部分はザフトに下ったがそうでもしないとこの国の地形と気候場条件では産業は衰退するのだ。大西洋連邦はそこを理解しているのか……本当に公約に地球圏統一を掲げた候補が大統領になるとはあの国も末路だ。

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