PiPi's World 投稿小説

機動戦士ガンダムSEED Dα 閃光の少女
その他リレー小説 - 二次創作

の最初へ
 3
 5
の最後へ

機動戦士ガンダムSEED Dα 閃光の少女 5

しかも、遺体ですら消される世界だ……マユは僅かであるがロンド家当主を間近で見ただけで今までの半生の真下にドス黒い世界が広がっていた事を知った。
「ラクス、彼女か……」
「アスラン、仕事は終わったのですね。アスラン.ザラ、元ザフトの方で表向きは“アレックス.ディノ”ですわ」
「マユ.アスカ准尉です」
「……アスランだ、後ろに居るのがカガリ.ユラ.アスハ……」
背後に居る少女は公務だったのかオーブ軍の将校服を着用しておりマユは敬礼する。
「アスカ准尉、大体の事はミナから伺っている。本当にいいのか?」
「兄はどうして消えたのか……それは氏族を抹殺する為です」
「いい加減に……」
アスランの声を遮るようにラクスは首を横に振る、マユの眼はかつてのアスランやキラが見せた眼光に似ていた。


数日後、アメノミハシラから荷物が届いた。
「ほぉ〜未だにアメノミハシラを攻略しようと言う連中がいるんかい」
「最近はこれでも減った方ですよ」
バルトフェルトは苦笑するのも無理はない、あの要塞にはブリッツの性能を持つアストレイに後期GATーXのバリエーション機種がある。しかもその三機はソキウスと呼ばれるナチュラルに服従する戦闘コーディネイターが操縦している。バスターの後継機で砲撃戦に特化した“GATーX131 カラミティ”をソードストライカーに装備された対艦刀を二つ装備した“GAT−X133 ソードカラミティ”でビクトリア基地奪還作戦時に投入され幾多のザフト兵が機体ごと消えた、“GAT−X252 フォビドゥン”を水中戦闘に特化させた“GATーX255 フォビドゥンブルー”は水中でも優位に立っていたザフト軍を脅かした。
そして“GATー333 レイダー制式仕様”は量産化されたガンダムである。ドミニオンに搭載された“GATーX370 レイダー”には無いサブフライトシステムを要しており長距離攻撃を可能にしている……マユが地球に降り立った直後に“敵襲”され、ソキウスらも手古摺ったらしくミナが“MBFーP01ーRe02 アストレイ ゴールドフレーム天ミナ”に乗り込み拿捕したと言う事だ。どうやら敵MSの電力を吸い取る秘密兵器がオーブにあるのは本当らしい……バルトフェルトはそう確信している。
「バスターのバリエーション機ね……」
マリューは見上げた視線にはクレーンにより吊るされたガンダムが見えた。
「情報部寄るとアクタイオン社が改修したモデルね……腰部に装備された銃には銃剣付き、高エネルギー砲とガンランチャーの連結システムを廃しているわね」
エリカ.シモンズも実物を見たのは初めてだ。コクピット周辺は破損しているらしくカバーがかけられていた。
ハンガーに固定されカバーを外すとマユは血の気が引いた、ビームが直撃した痕跡がありコクピット内は肉体から飛散した血飛沫が残されていたのだ。無論ビームから発した超高温による融解跡もある。
「ハ……ハウメアの、ご、ご加護が有らん事を」
ふり絞って云った途端によろけたマユをその場に居たバルトフェルトが支える。ミナ様も中々の教育者だ……マユが兄に対してやろうとしている事を実物で見せたのだ。
「使う気ですか?」
「そうだな、最悪ザフトまで絡んでくる事もあり得る。バグゥよりもこっちの方が良さそうさ」
バルトフェルトは苦笑しつつ思う、これはディアッカに聞いた方が良さそうだ……。
バグゥとはザフトが開発した四脚歩行型MSであり脚部が可変してクローラーによる高速走行を可能にしており砂漠や草原と言った所では無類の強さを発揮するが接近戦に持ち込まれると弱い一面もある。バルトフェルトは前の戦争で上位機種“TMF/A803 ラゴゥ”でキラが乗るストライクガンダムに挑んだが敗れた。この時恋人でもあったアイシャは永眠しており自身も生身を失っている。ダコスタが単身奮闘していた時にあるジャンク屋に助けられた……そのジャンク屋がよもやM1アストレイの試作機の持ち主である事に二度驚いたが……。
「ディアッカに聞かなくってもユーラシアに居るナタルに聞いてみれば……」
「……ラミアス艦長、ユーラシアでのこの機体のエースパイロットが少々おっかない奴ですよ。戦車隊上がりの“月下の狂犬”と呼ばれるガンバレル使いなんですが……ザフト時代に彼が指揮する戦車隊を蹂躙しましてね……」
マリューはバルトフェルトの表情の困り顔に納得する、ムウと同じ能力者でしかも戦術家なら幾ら“砂漠の虎”でも困るだろう。

SNSでこの小説を紹介

二次創作の他のリレー小説

こちらから小説を探す