ザラ派とはＣ.Ｅ.７１年戦争後半にプラント最高評議会議長として就任したパトリック.ザラを信望するプラント市民若しくはザフト兵であるが今の議長の姿勢には共感を得られないらしく、この様に脱走している状態のザフト兵も居る。問い合わせによりマユの視線にあるジンアサルトとゲイツ、シグーと言った混成部隊は紛れもない脱走兵だ……。
「ビックグラスパーα、β。火器管制オールグリーン、コクピット付近に標準……」
アームドディープストライカーは光波防御システムをスタンバイさせ、ストライクルージュadvanced　スターフェアリーは二機のビッググラスパーと共にザラ派の部隊を強襲を仕掛けた。虚を突かれたザラ派のＭＳらは散り散りになる、反応が遅れたジン二機がビッググラスパーαの外側にある“バスターソード”に胴体を貫通され爆散、シグーの一機は右腕をビッググラスパーβのバスターソードの射出で破損された。
「なっ！なんだ！！！あのＭＡは！！！！」
シグーのパイロットは鳴り響く幾多の警告音で事の重大さを知った、ジンの二機は消滅していたのだ……ジンアサルトが重ビーム砲を構えるも今度は閃光が幾多も見えた瞬間にそれも爆発した。
「ガ、ガンダム……ストライクガンダム」
それは先の戦争に置いてナチュラルが開発したＭＳの一つ、当初は直ぐにクルーゼ隊の餌食になるとしてザフト軍内ではトトカルチョがあった程だが、戦況が進むにつれ洒落にならなくなり陸戦で名を馳せていたバルドフェルト隊作戦継続不可と知った時には情報部がパイロットの素性を洗い始めた程だ。一度はザラ議長の息子が当時使用していたイージスで仕留めたが自爆させたという……ただこの機体は複数ある噂は以前から流れていた。
「−哀れなる戦士の御霊にハウメアのご加護が有らん事をー」
その言葉を聞いた時には彼の視線は眩い光が映し出された……彼が分かっているか知る由も無いが同胞から見ればビーム砲がコクビット直撃したのだ。
「……次！」
９４mmビームマグナムライフルからＥＮパックが排出された、コクピット直撃になっただろう……だがこれは釈明の余地は無い、島国のオーブにとって隕石落下に伴う“津波”は膨大な損害を与えるのだ。ビックグラスパー二機はドラグーンにより遠隔操作され機体に装備された対艦刀で斬り付け、ストライクルージュadvancedは攻撃していく。数分後……コクピットに大穴が開いたザフト軍のＭＳが漂っていた。
「任務完……いやもう一機？」
「ーまてまてっ！マユ.アスカ准尉だろ！！！俺はザフトのディアッカ.エルスマンだ！！！ー」
ザクウォーリァが両手を挙げてオープンチャンネルと発光モールスが点灯していた。
「（確か三隻同盟に参加した事がある……）」
シホにイザークの世話を任せ別動隊で動いていたのは脱走したザフト兵の情報を入手し説得する為に来たのだがディアッカが見たのは圧倒的な技量の差、機体の格差も考慮するべきだが……まあナチュラル滅ぼせ一択の面々を説得できるとは思っても無かったが予想外の品物を見てしまった感がある。あの時インパルスを捕まえたイージスとブリッツの改修機をダルマに追い込んだ仕掛けを見る事が出来た。
「ーあ〜返答しなくって大丈夫だ、こいつらは口が堅いからな……俺達が攻撃した事にしておくさ……オーブの影の戦女神様には色々と借りがあるー」
バスターの武装をカナードウィザートに移植した装備を持っておいて正解だ。
「−副長、よろしいのですか？ー」
「ーもう少しで表舞台に出て来るからな、まいったねコレはー」
敬礼したストライクルージュadvancedを見送ったディアッカは苦笑するしかない。
「ー合流するのですか？ー」
「まあな、念の為だ……サーチをしておく、リーカ……ディバイスのバッテリー大丈夫か？」
「ー問題ないですー」
コーディネイターと言っても万能ではなく、時折劣勢遺伝子が発言し障害を持ってしまう方も出てくる。リーカの場合は視力であるがディバイスの力で視力補正を大幅にしている……怖いのが閃光弾を受けた時にＭＳのメインカメラと共にリーカのゴーグルに影響が及ぶ。
「ー副長、生存者ですー」
小惑星帯に逃げ込んでやり過ごしていたのだろう、ボロボロになったゲイツが発光モールス信号で降参を伝えてきたのだ。



「ＰＴＳＤの疑いがあるな」
トワイライトの医務室にてミハイルは外科医であるが脱走兵を問診してサラっという。
「専門に診て貰わんと確証はない、まああんな惨劇を見ればこうなるか」
ミハイルもゲイツに記録された映像を見て思う、ジンハイマニューバーでは自分も戦死している。