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機動戦士ザク
その他リレー小説 - 二次創作

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機動戦士ザク 7

アムロの声もオデッサでの大敗の影響だろう、若者らしい元気を欠いていた。
アムロとブライトの会話をみていたレビルは思った。
(それだけ疲れておるのだな……無理もない。あれだけの激戦を潜り抜けてきたのだ。本当なら彼らには、休暇を与えるべきなのだ…だが、現状を考えるとそうしてやれん。許してくれ)
ため息が出そうになるが、部下の手前、将軍としての矜持で何とか抑え込む。



 



その頃、ジオン側では…

ギレン・ザビがいささか得意げに言った。元々自信家だったが、相次ぐ勝利が彼の自信をさらに深めたようだ。
この日も、エギーユ・デラーズら軍高官達とここしばらくの戦いや今後について話していた。

「オデッサといいソロモンといい、これほど上手くいくとはな」
「ビグ・ザム2機の増派をお聞き入れいただけたおかげです」

そう言って、デラーズが頭を下げた。ビグ・ザムをソロモンに送るのなら、無理にでも2機投入すべきと強硬に主張したのは彼や一部の参謀達だった。

難しい判断を迫られたがビグ.ザグは重装備以上に重要な要素がある、巨体と畏怖に近い外見から敵兵に与える精神的重圧が大きい……デラーズの考えはそこだ、連邦は戦力の多くが“新兵”若しくは“信任士官”であり、古参将兵は視野が固着している。現にザクも当初はジャブローに居る将兵らに過小評価され、それが誤りであった事はレビル将軍が捕虜になった事である、だがそれも脱出を許し交渉の最中に声明を発した事でジオンは引き摺りこまれた。デラーズもこの一点に関しては苦言を呈する訳にもいかない、ジオンには人材が居ないのだ……それ故に連邦の工作員が潜り込める余地があるのも事実だ。
「ガンダムとやらの性能は元より、敵にエースパイロットを育成されない様にする為にもジャブローを落とす必要がある……デラーズ中将」
「提案された核攻撃及びコロニー落としは中立コロニーを刺激するので避けるべきです」
「うむ」
「それと……コロニーに知らずに毒ガス攻撃した海兵隊に対する謝罪も検討してください」
「!!!」
参謀士官の一部は冷や汗を出す……よもやここでバラされたのだ。
「補給品も儘ならず劣悪であり兵士の殉職率も高く……私の判断で補給品の一部を融通しました、このままでは……」
「裏切るか」
ギレンも考える……コロニー落としに使用したコロニーには睡眠ガスを使っていると報告を受けたのだがその場所でゲリラ戦をして脱出した連邦軍士官らは毒ガス使用を名言している。ギレンとしては連邦軍の欺瞞工作の線を考えていたのだが……。
「愚かな事を……その海兵隊を率いるのはガラハウ中佐だったな」
キリシアにも聞こえた訳で事の深刻さは計り知れない。
「よかろう、彼女の身の預かりは私がする」


「この程度か」
「申し訳ありません……他の部隊長が分捕られてしまって……」
シーマ.ガラハウ中佐は艦隊補給担当責任士官の言葉に激怒はしなかった。
「なら、奪うまでだ……デラーズ中将が直談判しているがアテにしてないさ、こっちはギリギリなんだ」
まともに補給を受けた事も無く常に前線送りされているシーマ艦隊は疲弊し同時に友軍に対する不信感も猶更高まっている。そして運悪く友軍補給艦数隻が索敵レーダーに引っ掛かったのだ。



数分後、無力化されたパゾク補給艦艦橋にシーマが乗り込む……海兵隊らはガスマスクをしており毒ガスではなく睡眠ガスだ。
「ふん……シケているね」
「仕方ないですからね……どうしましょう?」
「予定通り補給品は頂くよ」
シーマは副官に任せて旗艦に戻る。

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