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ブレスク!!
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ブレスク!! 7

 ベアトリクスが一言礼を言ってそれを受け取る。ケンは状況判断が出来ずにただオロオロしている。
「…保健室に居た筈の私がどうしてずぶ濡れでここに居るんでしょうねぇ、らいさん?」 ベアトリクスが一口ココアを啜り穏やかな口調でらいに話し掛けた。
「あ、いや、アレよ…“今回は”俺じゃなくてガキんちょ達が…」
「ほぅ、今度は幼気な少年達に責任転嫁ですか…」
「いや、ほんっと〜に違うんだって…なぁ」
 そう言って振り返ったらいの目に写ったのは“幼気な”少年達が嘘泣きをしている姿だった。

―五分後―
 店内からはベアトリクスとらいの姿が消えていたが、誰もその事には触れようともしない。
「…で、彼は何者ッスか?」
「…俺は知らない」
 明らかにげんなりした様子でペインが答える。
「そんな〜、非道いですよぉ、若ぁ〜…!」
 少しの間も置かずにケンがペインにもたれかかる様にして泣き付く。
「あ〜…分かったよ。分かったから離れてくれ。頼む」
 その言葉を受けてペインから離れるケン。と同時に盛大に鼻水を垂らす。
 それを見て即座にハンカチを出して鼻を噛んでやるペイン。
「コイツはケン、本名は…忘れた。俺の下部だ」
そう言うとため息をついた
「使えないがな」
その言葉にケンがまた情けない声を出した
「若〜」
「だぁ〜!!鬱陶しい!!」
と、そのとき
「喧嘩はイカンよ喧嘩は」
店の奥かららいが出てきた
「ま、どうしてもやりたいなら俺の店から出て表でやってくれ」
そう言いペインとケンの首根っこを掴んだ
「こらっ!貴様、この俺様を誰だと思ってやがる。俺様の親父は大魔王やな……」
喚きながら何とか振りほどこうともがくペインだったが、
「はいはい分かった分かった。でもね。この店の中じゃ俺がルールなのよ、お分かり?」
とのらいの言葉(及びケン)と共に店外に放り出された。

「ちっ……ムカつくぜ。あの店長もクリスとかいうガキも……」
ブツブツと文句を言いながら一人(ケンはいつの間にか逸れた)路地裏を歩くペイン。とそこに、
「……ちょっとそこのキミ」
と声を掛けられた。
「はぁ!?」
ペインが振り向いた先には金色の長い髪をポニーテールにしている美少女が立っていた。
「この辺りに“ショコラ”ってお店があるはずなんですが、知りませんか?」
少女は丁寧に聞く。
ペインは少女に見とれていた。
「あの…」
「知ってる!俺様が特別に案内してやるっ!」
どこか偉そうなペイン。
「ありがとう」
少女は頭を下げた。

「お〜い!お客!」
ペインは『ショコラ』に入るなり声を上げた。
「さっきのガキ…おや?誰かと思えば…懐かしいなぁ〜。」
らいは笑った。
「あら?あたしが誰だかわかるの?」

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