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ブレスク!!
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ブレスク!! 6

「若っ!本当に会いとうございました!!」
『ケン』と呼ばれた少年はペインの手を取って肩を震わせている。長い前髪を垂らしている為表情がよく分からないが、どうやら感激のあまり泣いている様だ
「あのなぁ〜……お前、この惨状は完全に無視かよ」
保健室の状況は凄惨そのものだった
戸は破壊され、物という物が散乱し、窓ガラスは全て割れ、おまけに死体が一つ転がっている
「こ、これは一体……!!若っ!お怪我はありませんか!?」
“初めて”惨状を目の当たりにして盛大にズレた心配をするケン
「あ〜……大丈夫大丈夫」
 ケンに背を向けて呆れた様子で手を振るペイン。
「わ、若っ!そそそ、その腕は…っ!!」
 ケンの目が包帯の巻かれた箇所で止まる。
「あん?あぁ、これならさっき…」
 と言い掛けた時、ペインの背後でドサッという音が…振り返るとケンが泡を吹いて倒れていた。
「オイオイ…一体どうすりゃいいんだよ…」
 元保健室にペインの一言が虚しく響いた…

「あっ、ペイン君は大丈夫でしたか…?」
 教室に逃げ帰ってきたアルトにクリスが消え入りそうな声で尋ねる。
「あ〜その、大丈夫と言うか大丈夫だったと言うか…」
 最後のベアトリクスの笑顔、及びその後の騒音が気になりどうしてもアルトの歯切れの悪くなる。
「…そ、そんな。僕は一体どうすれば…」
 アルトの答えにどんどん涙目になっていくクリス。
「まっ、そんなに気にすんなよ!アイツに何かあったって俺らにゃ関係ねーしな!!」
 脇で聞いていたトムがある意味正論を言いながらクリスの背中をバンバン叩く。
「で、でも〜…」
「あ〜、もう!そんなに気になんなら保健室行って確かめて来いよ!」
 いつまでもウジウジとしているクリスに少しイラついた様にトムが言い捨てた。
「分かりましたよ〜」
そう言うと保健室のドアを開けた
そして卒倒した

「…これこれこうでこうなった」
「……」
ペインの説明に全員で顔を見合わせた
「とりあえず逃げよう」
倒れたベアトリクス、めちゃくちゃになった保健室、倒れた人間二人
誰ひとりとして反対はしなかった


「…で、ここに来た訳か」
ちょこっと、いやだいぶ寂れているカフェ『ショコラ』の店長『らい』が呆れながらつぶやいた
「マスター、脈拍呼吸異常無し。ただ気絶しているだけのようです」
無表情なメイド服姿の女性『アリス』が二人を看て答えた
「りょ〜かい、アリス二人を起こしてちょ〜だい」
「了解」
そう一言言いバケツで水をぶっかけた
「覚醒確認、任務終了」
「…けっこうヒドいね、君」
ちゃっちゃとバケツを片付けるアリスにらいがつぶやいた
「マスターよりはマシです」
瞬間暖かいココアを運んできた

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